乳がん闘病が明らかになった小林麻央。ステージなどの詳細は不明ながら「進行性のがん」との説明に衝撃を受けた人は少なくない。病状については様々な推測がなされているが、乳がん患者との交流を持つ医療系ライターはこんな見方を示す。
「小林さんは『トリプルネガティブ』と呼ばれるタイプに該当する可能性があると思います。これは『二つのホルモン受容体陰性、かつHER2陰性』という症例で、乳がん患者の10~15%が該当するもの。特徴はホルモン療法や抗HER2療法が使えないことです」
このトリプルネガティブでは化学療法が抗がん剤に限定される。最近は研究が進み、適切な抗がん剤を選べるケースも増えているのだが、予後が悪いのではと心配する患者が多いのも現実だ。ここで前出の医療系ライターは、怪しげな治療法を主張する業者に気を付けるべきと警鐘を鳴らす。
「小林さんなど著名人が乳がんに罹ると、怪しげな治療法が次から次へと沸いてくるんです。しかもトリプルネガティブでは治療法が限定されているため、怪しげなサプリメントや食材を薦める悪質商法が後を絶ちません。しかし患者さんはあらゆる情報を求めているため、ワラにもすがる思いで飛びついてしまうこともあるのです」
科学的根拠のない治療法は何の効果ももたらさないばかりか、かえって病状を悪化させるケースも少なくない。懸命な闘病生活を送る小林を広告塔代わりに使う悪質業者には、絶対に引っ掛からないよう気を付けたいものだ。
(白根麻子)