春からの連ドラでトップの視聴率を記録した松本潤主演のドラマ「99.9─刑事専門弁護士─」(TBS系)。セットの美術や仕掛けのおもしろさや秀逸な物語展開などが話題になったが、軽妙な会話も魅力の1つだった。その要因はアドリブの多さ。
「毎回、撮影の現場では、俳優陣が『ここはこうしたらどうだろう』『こう言ったほうがこの人らしい』と監督やスタッフと自由に発言し、話し合える空気ができていたのです。第9話の、主人公・深山が弁護する被疑者の聞き取りに面会室に行くシーンでは、事件当日のメニューを声に出して確認する1コマがありましたが、これは松潤のアイデアだそうです。また、第8話に深山が留置され、佐田、斑目、坂東らと代わる代わる面会するシーンは、台本をベースに動きや言い回しをアレンジして、楽しみながら工夫していたといいます」(女性誌記者)
そんな現場を班目演じる岸部一徳も「ドラマってアドリブがあまりにもふくらんでいくと、観ている側との間に距離ができてしまう。でも、これは特例的にそれが成功している」と納得のコメントを残している。
「岸部は特別インタビューでさらに『笑えるだけじゃなくて、その一体感があって現実がドラマの世界にうまくつながっている』『リアルと笑いのバランスがうまくいっているドラマ』と答えています。俳優だけでなく、製作チーム全体が自信をもって楽しく作り上げる姿勢こそが高視聴率につながったのでしょう」(テレビ誌記者)
アドリブが生きる現場の楽しさが、視聴者にも伝わったようだ。
(伊藤その子)