台風や豪雨などの自然災害の増加に伴って、火災保険料が値上がりするというニュースが相次いでいます。
2021年6月には、火災保険料を各保険会社が決める基準となる「参考純率」を平均10.9%引上げることが、損害保険料率算出機構より発表されました。これは2022年以降に契約される火災保険の保険料に反映される見込みです。また、保険料は契約期間が長いほど割安になるのが通例ですが、火災保険の最長契約期間を10年から5年へ短縮することも同時に発表されたため、実質的には値上げとなります。
こうした状況を受け、「うちの火災保険は大丈夫?」「これから火災保険を契約するけど、高くなるかも……」などと不安に感じることでしょう。そこで、できるだけ保険料を抑える方法を2つ紹介していきましょう。
■火災保険の乗り換え
ソニー損保が2021年11月、持ち家世帯のうち2021年1月1日~10月31日の期間に火災保険の契約を行った人200名に対して実施したアンケート調査で、代理店型から異なる保険会社へ乗り換えた人のうち、36.8%と約4割の人がダイレクト型の火災保険へ乗り換えていることが分かったそうです。
保険の種類の中でも、ダイレクト型は代理店に赴かず、ネットなどで契約できるもの。代理店型と比べて店舗運営費などが削減できて保険料が抑えられるので、保険の乗り換えは一つの選択肢かもしれません。
■補償内容を見極める
この調査結果にコメントを寄せていたファイナンシャルプランナーの清水香さんによれば、「契約時には保険料が重視されていますが、同時に、居住地の災害リスクを踏まえた適切な補償選択が火災保険では不可欠」であるとし、「補償のミスマッチは被災時の家計には大きな打撃となる」のだとか。そのため、我が家の立地のハザードマップなどと照らし合わせ、水災などのリスクをしっかりと見極めた上で補償内容を選ぶとよさそうです。
ただ、地域や建物構造によっては保険料が下がるケースもあるそうです。近年は立地や物件のリスクがより火災保険料の料率に反映される傾向があるため、保険料の格差が今後より広がる可能性もあり、「我が家の場合はどうか、しっかりと確認したほうがいい」と指摘しています。
火災保険料を少しでも抑えるためには、闇雲に保険を乗り換えるのではなく、まずは今加入している補償内容を見極めることがよさそうですね。