現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、今までの大河とは違う新しいタイプだと言われる。脚本家の三谷幸喜氏が書き下ろしたこの作品。確かに、セリフひとつとっても、ところどころ現代口調なことが話題になっている。
もう1点、話題になっているのが、このドラマのロケ地。ある“お嬢様学校”で撮影が行われたというのだ。
「第1回に登場したシーンで、広い草原の大自然の中、小栗旬演じる北条泰時と姫に身をやつした源頼朝が馬に乗って追手から逃げるシーンがあったのですが、撮影地は静岡県にあるカトリック系の私立ミッションスクール、不二聖心女子学院です。全寮制ではないのですが学生の半数くらいが寮生活を送るという、日本には珍しい由緒正しいボーディングスクールです。富士山の裾野に広大なキャンパスをもっていて、 撮影は“オークヒル・セカンド”と呼ばれる自然エリアで行われています」(芸能ライター)
ドラマのテロップにも「撮影協力 不二聖心女子学院」とあり、学校のホームページでも、撮影されたことが、馬上の小栗のシーンとともに紹介されている。
「不二聖心女子学院の自然に恵まれた広い敷地には、富士山を望む広い茶畑あり、森あり、撮影の行われたセカンドとファーストという草原ありで、その総面積は21万坪にも及びます。日本でも屈指の敷地面積を誇る学校ではないでしょうか。撮影中、草原の向こうの丘のさらに向こうの窪みに、200台の車に馬、機材、スタッフなどが映らないよう身を潜めていたのだとか。さらに撮影中、在校生たちは撮影が行われていることに全く気づかなかったそうで、いかに敷地が広いかがこのことからもわかります」(女性誌記者)
学校の敷地内にはシスターが暮らす聖心会の修道院や聖心会の関係者たちが眠る墓所もあるという、まさに世俗から隔絶された静謐の満ちる特別な空間なのだ。
「撮影隊の希望は、雨上がりの草原というテーマだったため、撮影日の設定には学校関係者も苦労したとか。ドラマの撮影については不二聖心女子学院のホームページでも紹介されていますが、学校関係者が撮影した写真はリハーサルだったのか、小栗が靴下をはいたまま馬に乗っているという、トリビアもあるようです」(前出・女性誌記者)
第1回に続き、2月12日放送の第5回の石橋山の戦いのシーンでも、同じオークヒルが撮影に使われたという。ひと昔前なら外部の人間、しかも撮影隊がぞろぞろ入ることなど考えられなかったであろう、やんごとなき聖域で、全国の視聴者が楽しみにしているドラマの撮影が、何度も行われていたのだ。
(伊藤その子)