3月3日は雛祭り。東京・新橋にあるアンテナショップ『とっとり・おかやま新橋館』では、マスクをした雛人形が多数陳列されています。実はこれ、もともと各家庭で飾られていた雛人形なんだそうです。いったいどういうことなのでしょうか。
■「福よせ雛プロジェクト」
これは毎年行われている「福よせ雛プロジェクト」の展示のひとつで、名古屋市・愛知県・岐阜県・鳥取県・広島県・滋賀県・岩手県・兵庫県・北海道の全32会場に加え、12回目を迎えた2022年は東京都が加わって開催されます。前出のとっとり・おかやま新橋館では、2022年3月3日まで展示されているそうです。
福よせ雛プロジェクトは、使われなくなった雛人形の寄贈を受けて、現代風にさまざまなアレンジを施して展示されるもの。名古屋市の近郊の主婦たちが始め、今では日本全国に広がり、2019年にはフランスでも展示されたとか。また、過去の開催展示では、焼肉を焼いたり、習字や道路工事、麻雀をしたりするお雛様が展示されており、こうした“意外な”雛人形も注目されているようです。
■鳥取・日野町「ふるさと住民票の取り組み」
福よせ雛プロジェクトに賛同し、2019年から開催地のひとつとなった鳥取県は、過疎化を食い止めるために『人口補完計画』と題した“お雛様に住民票を発行する”取り組みを実施。「人口が増えないなら、お雛様に移住してもらっては?」とのアイデアで、雛人形による町おこしがスタートしたそうです。鳥取県の日野町は、お雛様に特別住民票を発行する「ふるさと住民票」企画を展開しており、移住した人形たちは町中の店先などで展示されているそうですよ。
2022年の雛祭りは家庭だけではなく、新橋のアンテナショップで第二の人生を歩んでいる雛人形たちに会いに行くのもいいかもしれませんね。