両親が離れたところに住んでいると、コロナ禍では余計に心配になるものです。介護ジャーナリストの小山朝子さんに、実家の両親に対して見逃しがちなこと、最近増えている便利な家電を選ぶポイントをうかがいました。
■実家でチェックしておきたいこと
「認知機能については見逃しがち。ぜひ気を配りましょう。会話中、本人が話の内容を分かってなくても、これまでの経験から話を合わせたり相槌を打ったりすることはできるので、周囲の人間は分からない場合が多いのです。
また、保険証の場所は知っておきましょう。急に脳梗塞や心筋梗塞などで倒れたときに、子どもが把握しておくことで役に立つことがあります。
コンセントのほこりなどは、漏電の原因になるので非常に危険。実家に帰ったときは要チェックです。部屋の温度も気にしてあげてください。年を取ると熱さを感じにくく、熱中症になりやすいのです」
■高齢な親のための家電選びとは?
最近では“見守り家電”など高齢者向けの商品が増えており、「そろそろ実家の両親にも買ってあげたほうがいいのでは?」と思うこともあるでしょう。そんな家電選びでは、次のポイントが重要です。
「すべてが裕福な家庭ではないものです。何でも便利だからと導入する必要はないでしょう。例えば、私の母は友人から電話が鳴ると『早く取らないと』と焦ってしまい、急いで転倒し、骨折までしてしまったことがあります。そんな方の場合、最近では必要な電話はメッセージを残し、不要な電話はシャットアウトしてくれる商品が出ているので、それを取り入れるのを検討するという流れがいいでしょう。
つまり、『こういうときに、こういう事故があったから、どういうふうに防いでいけばいいのか』ということを、プレ介護や介護の前段階として、ゆっくり時間を取って、共に話し合って決めていくことが大事だと思います」
■最新“実家ケア” 家電2選
最近では、次のような実家ケアに役立つ家電も続々発売されています。ぜひチェックしておきましょう。
・パナソニック「デジタルコードレス電話機 VE-GD78シリーズ」
詐欺電話などの対策に使える最新電話機。「迷惑防止」を設定すると呼出音が鳴る前に本機が応答して、相手に通話を録音するというメッセージを流します。さらに、録音した通話を第三者との通話中に再生して聞いてもらうことができる「迷惑電話相談」機能も搭載しているので、通話後も安心ですね。また、温度・湿度アラームが搭載されており、熱中症警戒・乾燥警戒をお知らせしてくれるという機能も便利です。
・Google「Google Nest Doorbell」
玄関の外に貼り付けるだけで、大掛かりな工事も不要なスマートドアベル。来客時、スマホアプリで来客の顔を確認できたり、代わりに遠隔から子どもが対応したりすることができます。訪問販売など、高齢者を狙った悪質な来訪者もある中、後から録画映像で確認できるのも安心です。
高齢に近付きつつある両親が遠方に住んでいるなら、ぜひ見逃しがちな気配りから始めてくださいね。