香取慎吾はSMAP時代から一貫して、芸能界の人間と私生活で交流しない。プライベートの時間を割いて会うのは、ほんのひと握り。レギュラー番組で共演しても、連絡先は「そういうの大丈夫だから」と断って、教えない。SMAP時代、香取の連絡先を知っているのは草なぎ剛だけという時期もあったほどだ。
ところが、そんな鉄壁の意志をこじ開けたジャニーズ事務所の後輩がいた。嵐の松本潤だ。松本が東京・お台場にあるフジテレビ社内のスタジオでドラマを撮影していた時、向かいのスタジオで香取が次期クールのドラマを撮っていた。ある日、松本がコンサートにまつわることを廊下で関係者と話していると、香取も振り付けや曲など、似たような内容の対話をしていた。
次に会った時、松本のほうから「この間そういう話してましたね」と話しかけて、30分ほど立ち話。香取はSMAPのコンサート演出を1人で担っていたため、嵐のコンサートの総合演出家である松本は1度じっくり話したかった。
ところが、「今度ぜひ、ごはんとか飲みとか」と誘うも、「いや、大丈夫。僕そういうの、ないから」と断られた。日を空けて、ドラマ後に香取は主演ミュージカルを控えていたことを知り、「ミュージカルを観に行かせていただきます。勉強させていただきます。そのかわり、舞台を観に行ったら(一緒に食事に)行ってくれますか?」とリトライ。すると、「いいよ」と許しを得たため、俳優仲間の山本耕史に連絡した。
「山本は、香取が親友と認める数少ない同業者。04年に放送されたNHK大河ドラマ『新選組』で香取は主役の近藤勇、山本は土方歳三を演じたことで接近しましたが、山本が連絡先をゲットできたのは撮影終了後。逃げられ続けながらも、香取の携帯電話に強引に自分の番号を登録したのです」(芸能ライター)
松本は事前に山本に、「慎吾くんがごはんに行ってくれるって言ってる。この日(ミュージカルに)行きますから、絶対慎吾くんを捕まえてください」と根回し。3人で食事をすることに成功した。
「しかし、その夜も、香取から『マジで帰ってくんないかな』と10回ほど言われています(笑)。それでも松本は負けずに、『申し訳ないです。それは無理です』と先輩相手に一歩も引き下がらなかったらしい」(前出・芸能ライター)
香取は今年、2枚目のアルバムをリリースして、2度目のソロコンサートを開催。草なぎ、稲垣吾郎との3人で4月からレギュラー教育バラエティ番組「ワルイコあつまれ」(Eテレ)をスタートさせており、8月には主演映画「犬も食わねどチャーリーは笑う」の公開を控える。それでも変わらず外交拒絶。“慎吾道”に揺るぎはないようだ。
(北村ともこ)