動物に“絶対”なんてない。37年におよぶキャリアの中で培った教訓を明かし、スタジオを沸かせたのはリアクション芸人のパイオニア・出川哲朗だ。
6月20日放送の「世界まる見え!テレビ特捜部2時間SP」(日本テレビ系)では「戦慄の瞬間」をテーマにし、ゲストの出川はかつて戦慄を覚えたという命懸けの撮影を振り返った。
数々の修羅場ロケを乗り越えてきた出川に「めっちゃ怖かった」と言わせしめたのは、海外で敢行された「サイとのキス」企画だった。トラックの荷台に出川が乗り、追いかけてくるサイと口づけを交わすというものだが、現地コーディネーターからは事前に「サイがトラックの荷台に上がってくることは絶対にない。絶対に危険じゃないから大丈夫」との説明があったという。
そして、戦慄の挑戦がスタートした。出川を乗せたトラックが走り出し、エサのバナナを目当てにしてサイが追いかけると、「サイは普通に荷台に上がってきた」とまさかの行動に。番組では当時の実際の映像が紹介され、トラックに上がろうとするサイと、それを見て叫んでいる出川が映されていた。
こうした経験を踏まえ、出川は「だから海外のコーディネーターの言うことは絶対に信用しない。“絶対”なんてないから、動物は」と力強く語った。
「もはや出川の代表作といってもいい、“猛獣とのキス”シリーズですが、過去には熊やサメとの口づけにチャレンジしたことも。熊については、出川の体にハチミツを塗りたくり、それを熊がベロベロと舐め回すことで一応の成功となったものの、サメは出川のキャリアで唯一のNG指定となるほど、戦慄が走るものでした。出川は2018年2月放送の『1周回って知らない話』(同局系)の中で、南アフリカでのサメとのキスを『怖かった』と感想。本来ならば、サメはシャークケージに入れた状態にするのが普通だとしつつ、このロケでは『肉の塊を海に投げて、それを食べたサメをロープで手繰り寄せ、キスをする』という無茶苦茶なものだったそうです。出川は嫌々ながら挑戦し、あと数センチという距離まで、サメとのキスに迫ったものの、最後には『初めて、“ごめんなさい、無理です”と謝った』と説明。しかし、局の社員ではないフリーのディレクターからは土下座までされて、『俺にも子どもと奥さんがいるんです!』とサメとキスをするよう懇願されたのだとか。出川は『その時、思ったね。サメより怖いのはフリーのディレクターだって』と恐れていました」(テレビ誌ライター)
たくさんの九死に一生を経験してきた出川だからこそ語ることのできるエピソードだ。
(木村慎吾)