近年では女性の活躍推進が社会的にも叫ばれていますが、実際、女性管理職たちは今、大きな葛藤の中にあることが分かりました。
国際EAP研究センターが2015年4月~12月に実施した、管理職の男女約5000名のストレスチェックのデータ分析結果によれば、女性管理職が特に強く感じているストレスは「組織体制」や「風土が良好でない」こと。しかも、男女で比べると女性管理職のストレス度は約2倍と厳しい現実があるようです。
このストレスが生じる最も大きい要因として挙がっていたのは「ワークセルフバランス・ポジティブが実現できないこと」です。
「ワークセルフバランス・ポジティブ」とは、仕事でエネルギーをもらい、そのエネルギーによって自分の生活全体をさらに充実させることができるという考え方。しかし、これが実現できてないことが彼女たちの一番のストレス要因だったようです。つまり、仕事のストレスが“生活の悪化”を起こしているということです。
次いで多かったストレス要因が「キャリア形成」。意欲を引き出したり、キャリアに役立つような教育が提供されたりしていない、つまり「うまくキャリア形成ができない」ことに葛藤を感じているようです。
また、個人の尊重や職場での対人関係、公正な人事評価もストレス要因の上位に挙がっていました。
男性管理職は「職場での対人関係」が最も多いストレス要因となっていたのと比較して、女性管理職は、目の前の仕事よりも、組織・生活という視点をもって仕事をしていることがよく分かる結果といえそうです。