8月3日に新型コロナウイルスへの感染を発表していた歌手・長渕剛が全国ツアーのライブに復帰。そこで語られたコロナ禍への持論が大きな物議を醸している。
長渕は8月24日までに自身の公式YouTubeチャンネル「Tsuyoshi Nagabuchi」を更新し、同14日に昭和女子大学の人見記念講堂で開催されたコンサートの模様をアップ。復帰後1本目となるステージで観客から拍手で迎えられると、「無事に生還しました。エネルギーが有り余ってるから、熱でも出さないとな」「今日はもう、やるよ」「俺、コロナになっちゃったけどね、大したことないんですよ。本当におかしいです、今の日本は。本当におかしいよ。だまされんじゃねえよ」などと述べ、大事には至らず、無事に回復したことを報告した。
続けて、「40年近くやってるじゃない。いろんなことがあったけども、歌を介して、一生懸命ギターをかき鳴らして、みんなと歌いながら生きてきた。コロナだってそうだよ。震災の時もそうだった」と語ると、「ギターをかき鳴らして、拳を上げて、希望の灯火をつけてね、そして、日本の空を思い切り天高く拳を突き上げていく。そういうような形でこれからもやっていこうぜ、頼むぞ!」呼びかけ、観客を鼓舞した。
「65歳と決して若くはない長渕が無事にコロナから復帰したのは喜ばしいことですが、自身の体験を踏まえ、『コロナにかかったけど、大したことない』と発信したことには多くの批判が殺到。年齢や持病の有無、罹患時の体調など、様々な要因で重症化リスクは変化し、現実問題として、日々コロナによる死者が出ている。それゆえ長渕の発言は『無責任すぎる』として、『死んでる人もいるのに何を言ってるの?』『影響力がある人がこういうこと言うのはやめてほしい』『長渕さんのファンは60代の人も多いし、鵜呑みにしちゃうと危ないのでは?』『重症化して苦しんだ人、後遺症に悩む人、亡くなった人、その家族からすれば、そんなことは絶対言えない』などの苦言が並んでいます。
長渕が軽症だった事実と、ほかの人にとってコロナが危険かどうかの判断は別問題であり、それぞれが適宜、感染対策をおこなっていく必要があるでしょう」(テレビ誌ライター)
ファンに向けた「だまされんじゃねえよ」との呼びかけが具体的に何を指しているのかは不明だが、「コロナは大したことない」という言葉もまた、具体的な根拠のない発言だったのかもしれない。
(木村慎吾)