「冬こそ1年の中で最も恋愛が盛り上がる季節」という説が根強くあります。実際にある女性向け媒体でのアンケートでは、冬に恋したくなる女性は61%と、ダントツの1位だったそうです。心理学的にみても冬は寂しい気持ちになりやすく、それが人恋しさ(=親和欲求)となって恋活・婚活願望につながるといえるのかもしれません。
冬の寂しさの要因は3つ考えられます。まず、ひとつめは“寒さ”。寒くなると、単純に誰かと寄り添って暖まりたくなりますよね。トロント大学の研究チームによる『人の体感温度と孤独感についての実験』では、寒さと人恋しさは脳科学的に関連があると位置付けられています。
ふたつめは“暗さ”。冬は陽が短いので、暗い時間が多いですよね。夜は交換神経より副交感神経が優位になるため、リラックスするとともに寂しさが増すのです。また、日中に出ている幸せホルモンといわれるセロトニンの分泌が、夜は減少することも寂しさ増につながっているのです。
3つめは“カップルのイベントが多い”ことです。人間には「他人が持っているものを自分が持っていないと寂しい」と思う傾向があります。また、人間は古代からひとりでは過ごさないという文化があるので、カップルイベントが多い時期にひとりでいる状況が寂しさにつながるようです。
これら3つの寂しさの要因が、私たちを恋活・婚活へと向かわせるようです。ちなみに、寂しさとはまた別の話ですが、人間は暗闇だと誰かに寄り添いたくなり、寄り添うと好きになるという性質があります。このあたりのことも、冬の恋愛感情を加速させるのかもしれませんね。
安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCとしても活躍中。