なにわ男子の人気によって、関西ジャニーズJr.たちが脚光を浴びている。KinKi Kidsに始まり、関ジャニ∞、ジャニーズWEST、なにわ男子と続き、さらにはAぇ! Group、Lil かんさい、Boys be、AmBitiousが明日のデビューを夢見ている。
関西ジュニアたちの最初の目標は、松竹座に出ることだ。大阪屈指の繁華街である道頓堀のど真ん中に位置する上方演芸の伝統。ジャニーズは冬にライブ、夏に舞台の年2公演が決まっており、スターのたまごたちはまずバックダンサーとしてステージに立つことを目指す。
ダンス、歌、楽器、アクロバット、お笑いなど、覚えなければならないことは山積。来館者はリピーターが多いため、飽きさせないようにと1つの公演で6パターンを体に叩き込んでおかなければならない。稽古期間の2~3週間は死に物狂いで、公演期間はおよそ1カ月だ。
キャスト勢の癒しは、松竹座の隣にある老舗精肉店が経営する洋食店「はり重」の弁当。毎朝仕入れる高級な黒毛和牛が入った弁当を、故ジャニー喜多川社長は公演初日、中日、千秋楽に差し入れてくれた。初日はミンチかつ弁当、中日はビーフワン弁当、千秋楽はもっとも豪華な2160円もする洋風弁当だった。
「ジャニーさんは戦争経験者のため、おなかいっぱい食べられない幼少期を過ごしています。だから、子どもたちには常に『おなか減ってない?』と気にかけ、その日にいる人数の倍の個数の食事を用意していました。ジャニーズ事務所にある社員食堂は、タレントと社員が無料で食べ放題。故人の遺志を継いだものです」(アイドルライター)
松竹座には公演期間中、「ジャニーさんの部屋」が設けられる。写真やお菓子が飾られ、出演者は本番前に「行ってきます」と声をかける。
「なにわ男子の道枝駿佑は、『頑張ってくるね。見といてね』と手を振り、大橋和也は、『ジャニーさ~ん!』と明るく言ってからステージに向かう。西畑大吾は、『楽屋があるといううれしさを感じながら公演をしていた』と振り返っています」(前出・アイドルライター)
東京でも、新橋演舞場や帝国劇場などゆかりある老舗の劇場に「部屋」が作られる。松竹座と同じく、ジャニー氏が手掛けた舞台が上演される期間限定だが、多くのキャストたちは今でも“父のご加護”を受けているのだ。
(北村ともこ)