A.B.C-Zの河合郁人は、ジャニーズの“芸人枠”でトップランクに位置している。バラエティジャニーズでは、完脱ぎもいとわないSexy Zoneの菊池風磨と双璧をなしている。どのようなタイミングでも、番組が求める道化師になってみせるのは、長い下積み時代に得たハングリー精神からくるものだろう。
ジャニーズ事務所に入所したのは11歳。母親の友人から「松本潤くんに似てる」と言われたことが自信となり、みずから履歴書を送った。ジャニーズ初のDVDデビューにこぎつけたのは、そのおよそ13年後。ジャニーズものまねでソロ人気を一気に高めたのは、さらにその8年後の33歳。20年以上かけてようやくバラエティの世界に救ってもらえたため、お笑い芸人には礼を尽くす。
その1組が、飛ぶ鳥を落とす勢いのニューヨーク(嶋佐和也、屋敷裕政)だ。逆にニューヨークも河合を深くリスペクトしている。
ニューヨークは、A.B.C-Zの冠レギュラー「ABChanZOO」(テレビ東京系)にブレイク前の18年からよく呼んでもらっていた。伸び悩み、コンビそろって腐っていた時期も、同番組は見捨てなかった。現場では、河合が特に積極的に接してくれたという。
「河合は、自身を慕う後輩を家に呼んで、自分が番組でウケたシーンを何度も見せる“河合会”があります。ニューヨークも家に招かれたことがあって、部屋に入ると、若い男性2人に挨拶された。ジャニーズJr.かと思うと、『おはようございます。トリアエズビールと申します。自分、吉本の何年目で』とまったく知らない芸人だったそうで、そんな末端までチェックしている河合に驚いたとか」(女性週刊誌記者)
嶋佐、屋敷それぞれとはサシで飲む間柄。プライベートのみならず、3人は番組のスタジオ収録、ロケでも一緒になることが多い。「ものまね芸人」の枠でブッキングされた番組でも全力でジャニーズものまねをやってのけ、芸人よりウケることが多い河合。ニューヨークは、心の底から尊敬している。
「白目漫才でおなじみだったピスタチオが2022年5月に解散しましたが、その最後の宴席にも河合さんは駆けつけたそう。驚くのは、その場にいた芸人のほとんどが、河合さんと飲んだことがあったそうです」(前出・女性週刊誌記者)
ニューヨークやアルコ&ピースが鑑賞に訪れたA.B.C-Zのコンサートでは、1人で40分の長尺でMCをした。芸人が見ていることを意識して、そのトーク技術を見てほしかったという。頭の先から爪の先まで“THE芸人”。その徹し方と最強ネットワークをもってすれば、2023年も安泰か。
(北村ともこ)