「デートやベッドを共にする相手はいるんですけど、好きになるのが面倒臭いから、好きにならないようにしてますね」
最近、26歳男性からこんな話を聞いた。「好きになるのが面倒臭い」というのは、近頃の20代男性からよく聞かれる言葉である。
20代と言えば、仕事も恋愛もいくらでものめり込み、楽しい時代だと思うのだが、どうもイマドキ男子は「恋愛にのめり込みたくない」という傾向があるようだ。
恋愛事情に詳しい女性誌ライターの女性も、こう話す。
「確かに、まるで恋人のように身体の関係も含めて付き合っているのに、『好きではない』『彼女というわけではない』『恋愛感情はない』と言い張る20代男性は多いですね」
実際に、内閣府が発表した2015年版「少子化社会対策白書」でも、20~30代未婚男性の36.2%が恋人は欲しくないと回答しているように、恋愛に対して消極的になっている傾向はある。
とはいえ、デートやベッドを共にする相手はいるというのは、いったいどういうことなのか。
「当然性欲はあるし、モテない男とは思われたくないから、相手がいないという状況は避けたいわけです。でも、その相手には恋人としてふるまうのではなく、一線を引いて付き合う。気持ちをぶつけたりぶつけられたり、依存したりされたりと、人間同士の深いコミュニケーションが面倒臭いんでしょうね」(前出・女性誌ライター)
冒頭の26歳男性も、「好きになりたくない」理由をこう語る。
「好きになったら、仕事や趣味に集中できなくなりそうだし、相手を傷つけたり傷つけられるのが怖いから。フラットな感情でいたいんです」
何事もクールにソツなくやり過ごしたい、というのが平成男子たちの理想ということなのだろうか。
とはいえ、人間そんな簡単に感情をコントロールできるものではない。いつか本当にのめり込める恋愛を経験したとき、彼らがどのように大切な人と向き合うのか見てみたいものだ。