大谷翔平を見習おう!目標細分化で「プレッシャー」も解消!【元NHKアナ・中村克洋「人生を動かす“顔”パワー」講座/顔と夢実現④】
私は、NHK時代、「サンデースポーツ」のキャスターに決まった時、アナウンス室長にこう言われました。「中村くん、せっかく抜擢されたのだから、漫然とではなく、何か研究課題をもってやれ」と。
そこで私は大胆にも、「スーパーアスリートは、プレッシャーをどう解消しているのか?」と「イメージトレーニングはなぜ効果的なのか?」の2つを、研究課題に選びました。
そして今、この2つの課題は、これまでご紹介してきた「“顔で夢実現”のシステム」で、すべて説明がつく、という結果に驚いています。
まず、1番目の“プレッシャーの解消”ですが、これがまさしく大谷翔平選手の「目標達成表」のマンマでいけるのです。まず、表の真ん中に置いた「8球団・ドラフト1位指名」 という大谷選手の“達成目標”を“プレッシャーの解消”に置き換えます。そして、その周りを様々なステップイメージで取り囲んでいきます。つまりプレッシャーという大きな塊を、達成しやすいよう小さく細分化していくのです。
細かくしたステップイメージを、何でもマネする神経細胞ミラーニューロン、通称“マネッシーくん”で、“晴顔”でマネして、丹念に実現していく。細分化されたステップイメージは、達成は簡単。クリアが難しいイメージはさらに細分化していきます。
各ステップイメージをクリアしていけば、不安は消えていき“晴顔”が復活して、「“顔で夢実現”のシステム」が働き、プレッシャーの解消という“夢”が実現します。それどころか、達成したステップイメージは、すべて自分の実力となって身につきます。
■たとえば“入試”というプレッシャーの場合は…
合格するかどうか不安で、勉強が手につかないという場合、まず“合格”という大きな“夢”をあなたの「目標達成表」の真ん中に置きます。その周りを、「英語」「数学」「国語」「社会」「理科」「メンタル」などの分野に分けたもの(第1ステップイメージ)で取り囲みます。
さらに、そのそれぞれについて、より小さく細分化した努力目標(第2ステップイメージ)で取り囲みます。たとえば英語なら「長文」「文法」「発音」「アクセント」「スペル」「前置詞」「慣用句」などが考えられますが、それを英語の周りに配置し、「目標達成表」を完成させます。必要なら、それぞれの(第2)ステップイメージの周りを「さらに細分化して達成しやすくした第3ステップイメージ」で取り囲むといいと思います。ぜひ、あなたなりの「目標達成表」を作ってみてください。
■大谷選手の「目標達成表」は“大谷翔平”を作り続けている
大谷選手の場合、「メンタル」の周りを「はっきりとした目標、目的をもつ」「一喜一憂しない」「頭は冷静に、心は熱く」「ピンチに強い」「雰囲気に流されない」「波を作らない」「勝利への執念」「仲間を思いやる心」の具体的な8項目で取り囲みました。
私はこの8項目を「人生のスローガン」として部屋に張っています。きっと、あなたの目標にも応用できるはずです。しかも、こうして獲得したメンタルは一生もの。“今”の大谷選手(写真)を見るとよくわかりますね。
大谷選手はこれからも、自分の「目標達成表」の中心に、新たな夢を代入し、“夢実現”に至る様々なステップイメージで周りを取り囲み、それを着実に実現することで、野球に限らず人生でも、さらに大きな夢を実現していくことでしょう。ちなみに、大谷選手の信念は「“夢”が人生をつくる」です。
研究課題2番目の「イメージトレーニングは、なぜ効果的なのか?」については次回。プレッシャーも、イメージトレーニングも、どちらも、「“顔で夢実現”のシステム」を利用すればよかったのです。次回、「連続金メダルの羽生結弦選手の“夢実現”」をお楽しみに。
●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」
