ジャニーズグループのネーミングは、創業者であるジャニー喜多川氏が一手に担っていた。鬼才すぎるがゆえに、そのセンスは常に注目された。その命名方法はパターン化されており、KAT-TUNやKis-My-Ft2はメンバーの頭文字を組み合わせた。解散した光GENJIとV6、Hey! Say! JUMP、King & Princeなどは、既存のジャニーズJr.内の2つのユニットが合体して誕生した。
そんななか、メンバーの頭文字でも合体でもなく、完全なる造語で生まれたのがSMAPだ。
88年に光GENJIのバックで踊る「スケートボーイズ」として誕生。選抜された中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、森且行(現オートレーサー)、草なぎ剛、香取慎吾ら複数名がSMAPとなった。
ジャニー氏は当時、Sports、Music、Assemble、Peopleの頭文字を取ったと説明していた。「スポーツと音楽をするために集められた人々」という意味を込めた。しかし、これには異説があると芸能ライターは言う。
「Sは佐藤寛之と佐藤敦啓(現・アツヒロ)、Mは諸星和己、Aは赤坂晃、Pは山本淳一のあだ名だったパンジー。この5人は、光GENJIのローティーン組で結成されていたGENJIのメンバー。SMAPの由来は、GENJIだったという説があるのです。ジャニーさんは、SMAPを光GENJIの影武者として扱おうとしていた説も」
山本はニックネームが「バンジー」だった。しかし、ジャニー氏の勘違いで一方的に「パンジー」とされて、否応なしに「P」を担当することとなった。もし本当にS、M、A、Pが直系の先輩を意味する文字なら、これまでの説が根底から覆ることとなる。
そんなSMAPの直属の後輩にあたるのはKinKi Kids。関西発ジャニーズの第1号だ。一時期は「関西」が入ったKANZAI BOYA(かんさいぼーや)を名乗った時期もあったが、「近畿」のKinKi Kidsに落ち着いた。その後は後輩が「関西のジャニーズ」として関ジャニ∞、その前後を逆にして「西」を英字にしたジャニーズWEST、「浪速」のなにわ男子が後続したが、KinKiも裏テーマがあったという。
「“KinKi”は英語圏では“kinky”と呼ばれます。訳すと『性的に異常なクセを持っている』といった意味となります。そのため、海外で紹介されると必ずと言っていいほど、『えっ?』といぶかしいリアクションを取られましたが、ジャニーさんいわく『それが格好いいんだよ』。これは狙いだったようです」(前出・芸能ライター)
熟考なのか、ひらめきなのか、偶発的なこじつけなのか。ジャニー氏の脳内を解析できた者はいなかったという。
(北村ともこ)