お笑いタレント・カンニング竹山が2月27日放送のTBSラジオ「たまむすび」の中で、飲食店で相次ぐ若者の迷惑行為について言及した。竹山はそれらの背景の一つに「アルバイト経験のなさ」があるとこう指摘した。
「バイト経験とかもあればさ、割り箸が置いてあったり、爪楊枝が置いてあったり、醤油が置いてあったりしたらさ、それはバイト(アルバイト店員)がたぶん、店終わって補充したり、醤油を全部1回集めてとか、そういうのしてるってわかるじゃん。でも、結局そういう経験もないから、裏で働いてる子の努力もわからずにやっちゃうんだろうな、ガキは」
さらに、「それを大人がちゃんと育てなきゃいけない。ダメだよってちゃんと言わなきゃいけない」と一気に語った。番組レギュラーのフリーアナ・赤江珠緒が、飲食店の企業努力や商品開発に奔走する関係者の苦労を若者に知ってほしいと話したことを受けての発言だったが、これに異論が噴出したのだ。
「大人がしっかりとモラルを指導するべきという意見は理解できますが、アルバイト経験のなさが一連のトラブルを生んでいるとの主張は、あまり問題の本質を捉えているとは言い難いでしょう」と話すのは、テレビ誌ライター。さらにこう続ける。
「というのも、もともと10年近く前は、飲食店などでの不適切な行動を動画を拡散させる行為として“バイトテロ”が世間を騒がせていたからです。飲食チェーン店などで勤務するアルバイト店員がバックヤードや厨房で不衛生なイタズラをしている姿を撮った動画が拡散された騒動でしたが、バイト店員に厳しい目が注がれたことによって、バイトテロは減り、今度は客の迷惑行為が出てきたわけです」
確かに、“バイトの苦労を知らないから現在のような問題が起きる”との竹山の考えには「以前はバイトしてる最中の人がやっていた」とのツッコミがリスナーから続出していた。
「重要なのは、バイト経験の有無ではなく、こうしたトラブルを起こした場合にどのような事態を招き、どれだけの賠償金を請求されるリスクがあるのかを理解させることでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
いずれにしても、ただでさえコロナ禍で経済的なダメージを受けた飲食店が、これ以上被害に見舞われないことを祈るばかりだ。
(木村慎吾)