これ、誰の立場で観たらいいの? 頭を悩ませる視聴者が続出していたようだ。
4月13日にスタートしたドラマ「あなたがしてくれなくても」(フジテレビ系)では、初回から主人公・みち(奈緒)と夫・陽一(永山瑛太)の夫婦性活レスがメインのテーマに。22時台のドラマとはいえ家族で見るには気まずい内容に「深夜帯でやってほしかった」との声もあがっている。
その一方で、肝心の視聴率も深夜ドラマ並みの結果に終わったようだ。第1話の平均視聴率は5.8%にとどまり、奈緒に瑛太、さらには三代目 J SOUL BROTHERSの“がんちゃん”こと岩田剛典まで担ぎ出しているわりには思わしくない結果となった。
フジテレビ木曜劇場の枠は数字が伸びづらいと言われているが、前期の「忍者に結婚は難しい」は初回7.0%、その前の「silent」が6.4%だったのに比べると、どうにも物足りない数字となっている。
「正直な感想として、奈緒と瑛大の演技は本当に上手いと思います。岩田は少々棒読みであるものの、いわゆる『イケメン無罪』の法則が発動し、視聴者も特に不満はない様子。ただ主要キャラ3人のいずれもが感情移入しづらく、誰に主眼を置いて楽しめばいいのか、各演者のファンとしても迷っている状況です」(女性誌ライター)
主人公のみちは、夫の陽一に2年間にわたって抱いてもらえず、不満を押し殺している。その苦しみは伝わってくるものの、陽一に対する態度がハッキリせず、なぜ自分を押し殺しているのかも、なぜ突如として爆発したのかも不明だ。彼女が陽一に対して2年間も行為がなかったとぶちまけた際、視聴者は「2年間も!?」と驚いていたことだろう。
一方の陽一も、妻のみちが言う通り自分にしか興味がない性格として描かれているが、そのわりには新婚時の回想ではみちを熱く抱いていた。二人で訪れたスーパーでは女性誌の表紙に書かれた「ED」の文字に注目する場面もあったが、「EDかもしれない」と打ち明けた際には「下手な嘘をついて逃げた」というみちのモノローグが入ることに。これでは視聴者も陽一のEDが本当なのかウソなのか、煙に巻かれた思いだろう。
「みちの上司である新名(岩田)は、自分も編集者の妻と性活レスであることをみちにカミングアウト。夜の公園でみちを抱きしめていました。ただ、同じ立場を理解できることと、相手に好意を持つのはまた別の話。そもそもみちが性活レスを打ち明ける前から新名はみちに対して異性としての好意を抱いている様子がありありで、彼の本心もいまいち理解しづらいところです」(前出・女性誌ライター)
本ドラマは累計発行部数840万部の人気マンガが原作。ただマンガと実写ドラマでは、同じストーリーであっても観る側の受け止め方が変わってくることもある。マンガ作品を実写化する際に様々なノイズが載ってくることで、ドラマのほうは出来がイマイチになっているのかもしれない。