穏やかで過ごしやすい毎日が続きますが、みなさんお肌の調子はどうですか? 春は昼と夜の寒暖差が大きく、肌がゆらぎがち。そんな季節の変わり目の“ゆらぎ肌”対策として、皮膚科医の日比野佐和子さんは次のように述べています。
「保湿が基本です。スキンケアとしては、肌の代謝を高め、保護機能をサポートする成分として動物由来成分が必須。肌につけるスキンケア剤もそうですが、インナーケアとなる食べ物なども、乾燥や寒暖差による肌ダメージの回復を助けてくれるようなものを意識することで、肌本来の持っているチカラを守ってあげる一助になります」
実は、インテグリカルチャーが2023年1月に全国の20~60代の女性1,000人を対象として「乾燥肌対策をする際に選ぶスキンケア成分」を聞いたところ、64.6%(646人)が植物由来コスメ、35.4%(354人)が動物由来コスメを選択するという結果だったそう。植物由来コスメのほうが多くの人に使われているようですが、動物由来コスメにも注目したいですね。
■動物由来のスキンケア成分とは?
日比野さんが勧める動物由来のスキンケア成分には、コラーゲン、セラミド、ケラチン、プラセンタ、スクワラン、馬油、CELLAMENT®(セラメント)、エミューオイルなどがあります。
「スキンケア成分は、基本的に人間の肌は動物性のほうが向いている側面があると考えられます。スクワランなども動物由来のものが効果的であることが分かっているなど、人間の肌は動物性のタンパクで主に構成されており、動物性のほうが肌になじみやすく、皮膚への浸透性が高いことから保湿効果が高いといわれています」
ちなみに、スクワランは人間の肌を保護する皮脂膜の成分に非常に近いといわれているサメの肝油など、動物性由来のものがよいそう。市販品では、無印良品の「オリーブスクワランオイル」やハーバーの高品位「スクワラン」などがあります。
また、セラメントは鶏卵の胎盤にあるプラセンタ様細胞を採取して培養したもので、さまざまな動物の細胞にセラメントをかけると細胞が活性化し、非常に速いスピードで細胞分裂が進むということが分かっているそうです。
市販品では、ユーグレナ社が出している「CONC(コンク)」というスキンケアブランドに使われています。セラメントの機能をより生かすため、東北大学との共同研究によって開発された独自の2種のユーグレナエキスが入ったこの美容液は、新しい期待が寄せられている製品なんだそうですよ。
■セラミド入り食品など食事からのケアも大切
肌がゆらぎやすい時期は、インナーケアにも力を入れたいものです。日比野さんは「肌のバリア機能を正常に保つような食事も重要です」と述べ、次のような食品や栄養素を意識的に摂ることを勧めています。
●セラミド入り食品(セラミド入り美容ドリンクなど)●発酵食品(ヨーグルト、納豆、チーズなど)●タンパク質、必須脂肪酸、ビタミンA●ビタミンB群(ビタミンB2は卵や肉や魚、乳製品など動物性の食品、ビタミンB6はにんにく、ごま、玄米などに多く含まれる)●ビタミンC
いかがでしたか? 春の“ゆらぎ肌”、ぜひ動物由来のコスメとインナーケアで対策してくださいね。