田舎が嫌いで東京に家出したものの、友達との絆は大事にしていたようだ。
4月28日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第23回にて、春子(小泉今日子)が自分の暮らしていた部屋を懐かしむ場面が描かれた。部屋には1980年代のアイドルグッズやファンシーグッズが所狭しと置かれるなか、無関係なアイテムも少しだけ見受けられたという。
東京の学校に馴染めず、母・春子の故郷である北三陸市にやってきたアキ(能年玲奈)。実家の2階を探検したとき、隠し部屋のような場所に春子の部屋を見つけていた。
たまにこっそりと春子の部屋を訪れていたアキだが、この日はついに春子に見つかることに。怒られる!と思ったものの、春子は25年ぶりとなる自分の部屋に大興奮。嬉しそうに吉川晃司や松田聖子のグッズをアキに紹介したのだった。
「その部屋には東京や芸能界に憧れていた春子の想いが詰まっていました。春子は結局、高3の7月に家出。北三陸の田舎からは一刻も早く出たかったのでしょう。ただ彼女は田舎や実家には馴染めなかったものの、高校の友人たちとは決して折り合いが悪いわけではなかったようです」(女性誌ライター)
春子が机の大引き出しを開けると、そこには交換日記が。相手はなんと、現・観光協会の菅原会長(吹越満)だった。3日でやめてしまったそうだが、そもそも嫌いな相手だったら交換日記を始めるはずもなく、当時は菅原とも普通に友達付き合いしていたのだろう。
床に転がっていたファミコンのカセットには、手書きで「安部さゆり」(片桐はいり)の名前が。当時、ファミコンソフトは数千円もする貴重品であり、それを貸し借りするのは二人の親しさを表している。春子は借りパクしていたようだが、安部ちゃんがその件をアキに明かしたこともなく、どうやら水に流しているようだ。
「それに加え、一部の視聴者は部屋の壁に『KUROBE CANYON』(黒部峡谷)や『SHIROUMA』(白馬岳)のペナントを発見。祖母の夏(宮本信子)は岩手を出たことがないと明言していたので家族旅行のはずもなく、修学旅行の記念品でしょう。アイドルやなめ猫のポスターで壁が埋め尽くされるなか、わざわざ学校行事の思い出を飾っていたということは、春子が決して学校が嫌いだったわけではないことを如実に示しています」(前出・女性誌ライター)
友達との付き合いは良好だったからこそ、娘のアキを連れて25年ぶりに里帰りしたときには、安部ちゃんや駅長の大吉(杉本哲太)らかつての仲間たちも春子のことを快く受け入れていた。持つべきものはやはり、友人のようだ。