どうやら、そこに愛はあったようだ。
5月16日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第32回では、主人公の槙野万太郎(神木隆之介)が東京大学の植物学教室を訪問。田邊教授(要潤)と初の出会いを果たす場面が描かれた。その植物学教室に集う面々に、視聴者の興味が注がれていたという。
助教授の徳永政市役で登場した田中哲司は、謹厳実直な雰囲気を好演。2年生の波多野泰久を演じる前原滉はテレビCMなどで見せる飄々とした姿そのもので、今後は万太郎の自由な生き方に興味を持っていくという。
そして視聴者が沸いたのが、植物学教室の講師・大窪昭三郎を演じる今野浩喜だ。お笑い芸人でありつつ俳優としても評価の高い今野は、「アイフル」のテレビCMで演じている板長役でおなじみ。田邊教授を訪ねてきた万太郎に対応し、その姿には視聴者から<そこにアポはあるんか?>といった声が続出していた。
そんな今野が今後、本作において重要な役割を果たすことになるとの期待が高まっているという。
「今野は2018年後期の『まんぷく』、2020年後期の『エール』に続いて朝ドラは3作目の出演。そのなかでも今回の大窪昭三郎役は最も出番が多くなる可能性を秘めています。しかも主人公の万太郎にとって良き理解者となり、今後描かれるであろう重要な場面にも絡んでくるはずなのです」(週刊誌記者)
これまで今野が演じてきた役柄は、「まんぷく」ではライバル会社に引き抜かれてインスタントラーメンの製法を明かしてしまうまんぷく食品社員、そして「エール」では主人公の古関に式典用の楽曲を依頼する政府の役人だった。
いずれもストーリー上は大事な役割ながら、出演は数回に留まっていた。それが「らんまん」ではかなりの長期にわたって出演するかもしれないというのである。
「今野が演じる大窪昭三郎は、実在の植物学者である大久保三郎氏をモデルにしています。大久保氏は米ミシガン大学に留学したエリートで、植物学教室の標本施設拡充に貢献。明治22年(1889年)には牧野富太郎博士との連名により、日本で初めてヤマトグサに学名を付けました。万太郎はその牧野博士がモデルですから、大窪は今後、万太郎と共に研究していく存在となることでしょう」(前出・週刊誌記者)
牧野博士がヤマトグサに学名をつけたのは明治22年(1889年)のこと。作中の時代設定は明治15年なので、7年も後の話だ。万太郎はこれから東京大学での研究生活を送ることになり、かなりの回数を割いて描かれることは確実。どうやら大窪(今野)は今後しばらく、万太郎の良きパートナーとして活躍してくれることだろう。