人気タレント・藤田ニコルもこの施術で、顔をシュッと引き締めさせているという美容マシン術であるHIFU(High Intensity Focused Ultrasound)=ハイフ=。やってみたいけれど、最近、火傷などの事故が多発しているというニュースも散見されるため、どこをポイントに選べばよいのか、迷ってしまう人も少なくないという。「エステ」と「医療」の違いがあることまでは理解していても、具体的にはどう違うのか?ハイフに詳しい美容クリニック「くさのたろうクリニック」(東京・品川区)の草野太郎院長に聞いた。
M子:医療のほうが、もちろん効果が高いのはわかっていますが、藤田ニコルさんもエステでハイフを受けているからエステから入りたい、という友人がおります。何度も先生には伺っているんですが、エステハイフと医療ハイフの選び方を再度、教えてもらえたら嬉しいです!
草野:ハイフは、専用の機器で肌に超音波を照射して、皮膚組織に熱エネルギーを与える施術で、アンチエイジング目的の人のためのマシン術です。医療ハイフもエステハイフも、基本的なメカニズムは同じで、皮下に熱エネルギーによる刺激を与えることで、コラーゲンやエラスチンの生成が活性化され、「シワやくすみの改善」「肌のハリの復活」「開いた毛穴の引き締め」といった効果が期待できるというものですが、効果の差がはっきりとしています。医療とエステの違いは、出力の高さと方式です。医療用ハイフで使用しているのは焦点式のハイフで、エステハイフで使用しているのは蓄熱式ハイフ、焦点式は高い効果で集中的に高い効果が期待できるのですが、蓄熱式はじんわりとソフトに、というイメージです。それと、医療ハイフには出力の制限がないため、あらゆる機種を使用することが可能で、そのぶん、医療従事者がきちんとした知識で扱わないといけませんが、効果は高く施術回数も少なくてすみます。一方、エステハイフでは医療資格を持たないスタッフが施術を担当するので、医療行為にあたらない範囲となるよう、出力を制限された機種しか使用できません。つまり、エステのハイフは入り込みやすくマイルドなのですが、効果が低く何度も通わなくてはいけません。
X男:効果が持続するのは、医療ハイフの方が長いから、トータルで考えると美容クリニックでやったほうが結果的に安く済み、効果も高いわけだね。
M子:それなのに、エステでのハイフはなくならず、今でも人気があるのは、どうしてなのでしょうか?
草野:価格の問題が1番ではないでしょうか。医療機関での施術は高いものですと30万円程度するものもあります。でも、法に反して医療用ハイフをエステハイフで利用されるケースが多く、同じようなマシンで価格を抑えて提案されているため、消費者にとっては入りやすいということになります。最近では、セルフのところもあります。しかしながら、トラブルも散見されるため、最近ではニュースでも取り上げられていますよ。
M子:いずれにせよ、安全に理想の美を手に入れるのが一番ですね。
【 連載コンビ・プロフィール】
M子:美容と芸能のライター歴25年。誰もチャレンジしない時代に、女性誌で初めてプチ整形を体験取材した一人。美容整形への風当たりが強い時代から美容術の「今」を追っている。
X男:美容整形業界に長く在籍し、コーディネーターとしてTV・出版業界、芸能事務所、財界にも太いパイプを持つ。