いまや韓国では“イマセ”を知らない人はいない。にもかかわらず、どれほどの日本人がイマセを知っているだろうか。
イマセとは、imaseという表記で活動している岐阜出身の22歳のシンガーソングライター。20歳で音楽活動を開始してわずか1年ほどの間に、TikTokで楽曲をジワジワと広げ、2021年12月にメジャーデビューしている。
彼に大きな変化をもたらしたのが、昨年リリースした曲「NIGHT DANCER」である。韓国配信サイト「Melon」でJ-POP初のTOP20入りを果たし、今ではSpotiifyバイラルチャートTOP50にもランクイン。それも、日本語のオリジナル曲だというから、まさに快挙だ。音楽ライターは、こう話す。
「日本ではほとんど知られていない彼ですが、日本を飛び越えて韓国でバズったことはまさに怪奇現象と言っていい。分析すると、『NIGHT DANCER』の出だし、“どうでもいいような夜だけど”のフレーズがメロウで耳触りがよく、心地よい。バラード調なのに踊れるノリというのもインパクト大。いい意味で、本当に何てことのない楽曲なんです。でも、韓国人にはすごく響いて、あるようでなかった曲の雰囲気として人気に。それに加えて、今のK‐POPは、ハードなダンスとソウルフルでヒップホップナンバーが主流なので激しめが多い。そんな激しい曲に少し疲れてきている韓国人たちにとって、いわゆる箸休め的…酢の物とかお新香みたいな感じで聴けるのがよかったのではないでしょうか。imaseは顔も塩顔なので、まさにサッパリ聴けておいしい存在なのでしょう。そもそもの彼の狙い通り、TikTokでバズったのは才能です」
韓国人にとっては、“どうでもいいような”存在ではなくなったimase。日本でも「逆輸入」のような形でブレイクするか。
(写真はイメージ)