6月6日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第56話で、“1986年のNo.1ヒット曲”が紹介された。
この日、いつものようにスナック「梨明日(リアス)」に集まる常連たち。北三陸駅の副駅長・吉田正義(荒川良々)は「ここってビデオ見れましたっけ?」と、一本のVHSテープを取り出す。
ラベルには手書きの「潮騒のメモリー」の文字が。テレビ放送されたものを録画したテープが家にあったというのだ。
「『あまちゃん』内の設定では、『潮騒のメモリー』は1986年の正月に公開された青春映画で、今や実力派女優として知られる鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のデビュー作。鈴鹿本人が歌った主題歌は60万枚のセールスを記録したと、ナレーションで説明が入りました」(テレビ誌ライター)
ちなみに、現実の世界での86年のシングル売上げ第1位は石井明美の「CHA-CHA-CHA」の約53万枚。明石家さんまや大竹しのぶが出演したドラマ「男女7人夏物語」(TBS系)の主題歌として知られている。2位は中森明菜の「DESIRE」で約52万枚。
「意外に感じる人もいるかも知れませんが、80年代中期から末にかけては、ミリオンヒットしたシングルがない時代だったのです。そんな中、60万枚売れたという『潮騒のメモリー』が86年の年間1位に相当するというのは、ある意味リアルですね」(前出・テレビ誌ライター)
ナレーションは、「潮騒のメモリー」の説明の後、同曲がヒットしたという設定の86年の歌謡界を解説。ここでは、現実にヒットした曲が3曲紹介されたが、それらについても売り上げを見ていくと、「1986年のマリリン」は本田美奈子の代表的ヒット曲で売上げは約25万枚。1986 OMEGA TRIBEの「君は1000%」は約29万枚、そして、おニャン子クラブの「じゃあね」は約28万枚を売り上げた。いかに「潮騒のメモリー」が大ヒット曲だったかを印象付ける演出と言えよう。
さて、「あまちゃん」における1986年の正月と言えば、主人公・天野アキ(能年玲奈)の母・春子(小泉今日子)がアイドル歌手を目指し東京で奮闘していた時期。
春子がどのような青春時代を送っていたのか、「潮騒のメモリー」とどのような因縁があったのか、やがて明らかになるのだ。
(石見剣)