こんな17歳に迫られたら、勉さんならずとも抗うことなどできるはずもないだろう。
6月19日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第67回では、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)が東京への家出を画策。午後9時発の高速バスに乗るため終電後の北三陸駅に身を隠すも、危機一髪の場面を迎えていた。
北三陸駅にはバー梨明日が入居しており、アキの母親・春子(小泉今日子)が弥生(渡辺えり)と共に店番を担当。客は業務を終えた駅長の大吉(杉本哲太)と副駅長の吉田(荒川良々)、そして琥珀職人の勉さん(塩見三省)だ。
「駅の図書コーナーに隠れていたアキとユイですが、ふとしたタイミングでトイレから出てきた勉さんと鉢合わせ。ついに見つかったかと思いきや、ユイは唇に人差し指を当て、首を傾げながら『勉さん、内緒ね』と言わんばかりの顔つきに。高3とは思えない匂い立つ艶気に圧倒されたのか、勉さんは思わずうなずいてしまったのでした」(テレビ誌ライター)
ユイを演じる橋本はこの時、役柄と同じ高3。早生まれなので年齢はまだ17歳だった。
そんな等身大のユイが勉さんに見せた、あまりにも艶気にあふれた表情は、勉さんのみならず視聴者のことも圧倒していたに違いない。
ヒロインのアキを演じる能年は2013年の本放送当時、まもなく二十歳の誕生日を迎えるところだった。同級生のアキとユイにはリアルでは2歳の年齢差があったものの、見た目はごく自然に同級生。子供っぽいアキと大人っぽいユイの違いも表れており、見事なキャスティングには感心するばかりだ。
「ヒロイン役のオーディションでは能年と橋本、春子の高校生時代を演じている有村架純に加え、吉岡里帆や前田敦子、元ももクロの早見あかりらが最終審査に残っていたそうです。結果的に能年が選ばれたのはベストだったと思われますが、ユイ役に関してもやはり橋本で正解だったと思わずにはいられません。艶気と美人度では吉岡も十二分に合格点ですが、彼女は能年よりさらに1学年上なので、高校生の役は厳しかったかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
17歳とは思えないあふれ出る艶気。アキとの対比を存分に見せつけた今回が「あまちゃん」の前半で神回の一つにあげられるのも納得の内容だったのではないだろうか。