6月28日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第63回では、竹雄(志尊淳)が思いつめた顔つきで、主人公の万太郎(神木隆之介)に「お話があります」と話しかける場面で幕を閉じていた。この言葉が本作品にとって、大きな分かれ道の始まりになっているという。
結婚相手の寿恵子(浜辺美波)を伴い、故郷の土佐・佐川に帰郷していた万太郎は、かつての日課だった植物採集に寿恵子を連れ出していた。道中では竹雄が、採集場所の特徴などを帳面に書き写すといったコツを寿恵子に伝授。自らが果たしてきた役割を、寿恵子に引き継いでもらう算段なのは明らかだ。
「竹雄を演じる志尊は6月25日付のツイートにて、第13週の放送について『万太郎、寿恵子さん、綾様、大奥様、竹雄、峰屋の皆さん 全員の人生の分岐点です』と説明。『今までの集大成。是非見届けてほしいです』と視聴者に対してアピールしていました。おそらく今週の放送で竹雄は物語の表舞台から退場することとなり、志尊は視聴者との別れを惜しんでいるのでしょう」(テレビ誌ライター)
作品の公式サイトでは「新たに『らんまん』を彩る人々のお知らせ」と題して、後半に登場する新たなキャストを紹介。それはすなわち佐川編のキャストたちがいなくなることを示している。
なかでも、前半の主要人物だった竹雄=志尊淳がいなくなることに、不安を覚える視聴者は少なくない。時にはもろ肌脱いで水浴びしてみせるなど、女性視聴者を惹きつける大事な役割を担っていた竹雄。新キャストには志尊と同じ年代の俳優が不在で、竹雄不在の穴を埋めることが難しい状況だ。
「開始当初は週平均視聴率が15%台にとどまり、第5週には14.4%にまで落ち込んでいた『らんまん』ですが、万太郎が上京した第6週以降は16%台をキープ。万太郎と寿恵子の恋バナが盛り上がった第11~12週には17%台と数字を上げています。しかし二人の馴れ初めは今週で終了ですし、女子人気の高い志尊がいなくなることで、第14週以降は数字が落ち込むのではと危惧されているのです」(前出・テレビ誌ライター)
果たして志尊がツイートした「人生の分岐点」が、作品にとっては視聴率の分岐点となってしまうのか。寺田心ら後半のキャストは、出番が始まる早々から視聴率との戦いという重荷を背負わせられることになるのかもしれない。