これも、ネット時代ならではの現象なのかもしれない。
世間をにぎわせているビッグモーターの不正問題。7月25日には記者会見を開催し、社長と副社長の辞任を発表。幕引きを図るも、店舗前の街路樹を枯らせていた疑惑で各自治体が対策に乗り出したり、新社長が社用スマホからLINEを削除するように指示したことが判明するなど、次から次へと燃料が投下されている。
その状況で、同業他社には追い風が吹いているようだ。ビッグモーターは中古車販売業の業界トップ企業で、年商は7000億円にも上るという。しかし今回の問題を受けて車両修理の新規受け付けを停止するなど、業務を縮小。そのぶんが他社に回ることに加えて、ネットの世界でも他社への追い風が吹いているのである。
「今回の一件を受けて、多くの人々がネットで『ビッグモーター』を検索。検索キーワードとウェブ広告は連動しているので、普通ならビッグモーターのウェブ広告がばんばん表示されるはずです。ところが世間への影響を鑑みてなのか、ビッグモーターではCM出稿を控えている様子。そのため『ビッグモーター』で検索している人は、中古車に興味がある人として認識されるらしく、同業他社の広告がばんばん表示されるようになっています」(IT系ライター)
ちなみにこの現象はネットならではのようだ。ビッグモーターは「クルマを買うならビッグモーター♪」というジングルがおなじみで、とくにラジオ広告ではこのジングルが流れまくっていたもの。
しかし不正問題が表面化して以降、ラジオ広告の出稿がストップしている様子で、いま多くのラジオ局ではACジャパンのCMが流れまくっているのである。
「2022年実績でネット広告が3兆円を超えた一方で、ラジオ広告は1129億円に留まっており、もはや30倍近い差がついています。そのためネットであれば一社が広告出稿を控えてもすぐに代わりの広告が入る一方で、ラジオは大手クライアントを埋めるライバル企業がなく、ACで埋めるしかないという状況です」(前出・IT系ライター)
同業他社はいまこそ、ラジオ広告に力を入れるタイミングかも!?