台風7号による東海道新幹線への影響が、上陸から3日目の8月17日になってもなお続いている。
東海道新幹線は台風7号により、8月15日が計画運休に。翌16日は通常運転を予定していたものの、静岡県内で雨が降り続いたことにより一時的に運転を見合わせていた。
17日になっても始発から遅れや運休が発生しており、一時は浜松~新大阪で運転を見合わせ。その後に再開したもののダイヤの乱れは続いており、いまだ足止めされたままの利用者も少なくないようだ。
「お盆を直撃したこともあり、混乱は相当な規模になりました。東京駅や新大阪駅にはあふれんばかりの利用客が滞留し、駅構内を歩くのも大変だったほど。台風が原因ゆえに仕方ない面もありますが、今回の大混乱によりネットを中心に、リニア中央新幹線の待望論が高まっています」(トラベルライター)
もともと2027年度の開業を目指して進んでいたリニア中央新幹線の工事が、静岡県の川勝平太知事による異常とさえ言える妨害行為により、遅々として進んでいないことは周知の事実。
8月3日にはリニア中央新幹線の事業主体であるJR東海の丹羽俊介社長が定例記者会見にて、工事に関して「まだ見通しを立てることができない」と発言したことも話題になった。
そのリニア中央新幹線。公式サイトのFAQには東海道新幹線に関して「将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければなりません」と明記されている。すなわちリニア中央新幹線に、東海道新幹線のバイパス路線としての役割もあることは明らかなのだ。
「これまではリニア中央新幹線の工事遅延を余所事として捉えていた人たちの間にも、台風7号による大混乱を目の当たりにしたいま『早くリニアを通してほしい』との声があがりはじめています。東京・名古屋の二都市間移動において選択肢が増えることに大きな意義があるのは明らか。大阪延伸は遠い未来だと思っていた人たちも、名古屋までは近鉄特急で移動できますから、東京・名古屋のリニア中央新幹線が完成すれば関西人にとってもメリットになることが実感できたはずです」(前出・トラベルライター)
将来、台風がまた日本列島を直撃した際に「リニアが通っていて良かった!」との声が各所であがるのは確実ではないだろうか。