10代の若者でも歌える演歌として知られている、石川さゆりが1986年にリリースした名曲「天城越え」。石川には「天城越え」と77年にリリースされた「津軽海峡・冬景色」のほかにもヒット曲は数多いが、8月13日放送の「桂文珍の演芸図鑑」(NHK)に石川が出演。2007年以降の「紅白歌合戦」(NHK)では、この2曲だけを代わる代わる披露していることを明かした。
「石川によれば、紅白のスタッフからこの2曲は、『除夜の鐘みたいなもの』だから『除夜の鐘が“ゴーン”じゃなくて、いきなり“チーン”とか“カーン”とか鳴ったらヘンでしょ?みんなそれを聞いて年を越すんですよ』などとも言われたそうです」(テレビ誌ライター)
また、MCの桂文珍が「天城越え」は歌だけでなく振り付けもステキだと明かすと、石川は「フリっていうほどのことでもなく、歌い始めた時はあそこまでいろんな動きがついてなくて。だんだん歌ってるうちに何かこう…(と、左手を上げてからハラハラと花びらが散るような動きをして)」と振り付けができていったことを明かした。
さらに、曲の舞台となっている静岡県・伊豆半島の天城山付近にある名所「浄蓮の滝」や「天城隧道」が歌詞に登場するあたりは、石川が若山富三郎さん(92年死去、享年62)と仕事で一緒になった時、「さゆりさん、カメラを見ないで、こうやってこうやって(と視線を下に落としてから、どんどん顔を上に向けていき)世界を広げてったほうが、何かこう“見えます”」と指導されたことを明かした。これに驚いたのが女性誌記者だ。
「これまで石川は、歌舞伎が好きなことから『天城越え』の振り付けには歌舞伎の要素を取り入れていると明かしていました。ところが、今回は若山富三郎さんの名前が出てきたので驚きました。これは後世に伝えたい貴重なエピソードでしょう」
順番でいくと、2023年の「紅白歌合戦」に出場するのであれば「津軽海峡・冬景色」を歌うはずの石川。ぜひとも「天城越え」と2曲歌ってもらいたいものだ。