好きだからこそ、我慢する。相反する想いに本人も相当苦しんでいるようだ。
9月6日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第135話では、ヒロインのアキ(能年玲奈)が「オラ、岩手さ帰りでえ!」と懇願する場面で幕を閉じた。そんなアキを巡ってマネージャーの水口(松田龍平)が“究極の選択”をしたという。
アキを岩手からスカウトし、さらには彼女を売るために大手事務所のオフィスハートフルを辞めていた水口。第126回でアキが映画「潮騒のメモリー」のオーディションに合格した際には、アキのことを固く抱きしめていた。
アキは抱きしめられたことよりも、水口が泣いていることに驚いていた様子で「水口さん、泣いてんのか?」と訊ねていた。このシーンに水口がアキに対して抱く恋心を感じ取った視聴者も少なくなかったことだろう。
「ずっと一緒にいることで情が移ったのか、それともアキの可愛らしさに気が付いてしまったのか。かつてはアキのことをブス呼ばわりしていた水口ですが、いつしか『可愛いし』と評するようになっていました。そんな男としての思いは、アキの彼氏である種市先輩(福士蒼汰)への態度にもありありと表れていたのです」(テレビ誌ライター)
種市がアキと交際していると知った際にはさんざん責め立てていた水口。今回も最近の交際状況について種市が「一回キスしただけです」と白状すると、「自慢すんじゃねえよ、つうか自慢すんじゃねえよ!」と激高していた。その姿はタレントを守るマネージャーではなく、一人の女性を巡って嫉妬する男性の姿そのものだ。
ところがアキにぞっこんの水口が、なぜか種市との交際を許容。「種市浩一とのラブが必要なんだ」とまで口走っていた。自らの本心と相反する態度にも思えるが、多くの男子にはそんな水口の思いが痛いほど分かるというのである。
「水口は男の直感で、アキが岩手に帰りたがっていることに気づいていました。残念ながら自分一人にはそれを阻止するだけの力や影響力がない。だからこそ種市に『俺一人じゃ岩手に勝てねえ』と、アキとの交際継続を許容したのです。自分の手が届かない岩手に帰られるより、たとえ彼氏がいようとも、日々一緒にいられる環境を選ぶ。水口にとってはまさに究極の選択だったことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
遠くにいるフリーのアキより、近くにいる彼氏持ちのアキ。そのどちらを選ぶのか。男子ならきっと水口の想いに共感できたのではないだろうか。