その言葉に「うらやましい」と感じる人たちも多かったようだ。
9月8日深夜に放送されたバラエティ番組「オールナイトフジコ」(フジテレビ系)にて、驚きの数字が明かされた。同番組を彩る女子大生出演者の「フジコーズ」がCDデビューするために必要な金額が2000万円だと明かされたもの。
8月26日の放送ではフジコーズが、秋元康氏作詞の楽曲でCDデビューすると明かされ、メンバーが大喜び。それに関して今回、メインMCの佐久間宣行が「スタッフが現実的な調整をしている」と語りつつ、「こんなことテレビで言ったことがない」と前置きしながら、「デビューにかかる経費」と題したフリップを手に取ったのだった。
そこにはレコーディング代、15人分の衣装、振り付けの制作費レッスン代、ミュージックビデオの制作費という4つの項目が記載されており、その総額がざっと2000万円だという。その金額には番組レギュラーで元AKB48の峯岸みなみも「知らなかった」とびっくり。当のフジコーズたちも目を丸くして驚いていたのである。
「いやいや、驚いたのはこっちのほうですよ。たしかにCDを作るのにはそれなりの経費が掛かりますし、衣装やMVまで含めたら金額は膨れ上がりますが、それにしても2000万円にはビックリ。最初からそのレベルで作るんだと、バラエティ番組の金銭感覚に驚かされました」(アイドル業界関係者)
業界関係者以外の人は、今回の説明を聞いたら2000万円という数字をそのまま受け入れてしまうところだろう。実際、フジコーズは15人組の大所帯であり、その衣装経費だけでも決して小さい金額で収まらないことは明らかだ。
レコーディングに関しても、ちゃんとしたスタジオで録音することは確実。その音源を専門家がマスタリングし、最終的な楽曲に落とし込んでいく作業には、大勢のスタッフが関わってくる。それはMVでも同様で、15人の大人数に対応できるスタジオを借りての撮影が簡単に済むはずがないのは明らかだ。
「正直なところ、これが1000万円という話だったら『それくらいはかかるだろうな』と思ったことでしょう。しかしさすがに2000万円と言われると、最初から松竹梅の松で想定しているんだなと驚いちゃいますね。ライブアイドルグループのCDデビューだったら、MVや衣装を全部含めても数百万円で抑えるのが一般的。1000万円台の予算となったら、よっぽど勝算があるか、もしくは太いスポンサーが付いているのかと驚かざるをえないところです」(前出・アイドル業界関係者)
一方では、テレビ番組が仕掛けるCDデビューだからこそ、2000万円の経費を明言したことに歓迎の声もあるという。
何事も予算縮小の世の中で、テレビ局が金を掛けなかったら業界がますます縮小してしまうという危機感を持っている人が少なくないからだ。
「フジコーズがアイドルかどうかはさておき、今では誰でも簡単にアイドルをプロデュースできる時代。アイドル好きの学生が自分でメンバーを集めて、CDデビューまで持っていくパターンも珍しくありません。そんなお手軽なケースばかりだと低予算化が当たり前となり、業界にどんどんお金が回らなくなります。そんな状況のなか、フジコーズが2000万円という経費を提示してくれたことで、業界の活性化に期待する声も少なくないのです」(前出・アイドル業界関係者)
果たしてフジコーズはどんな衣装を身に着けて、どんなMVを見せてくれるのか。「オールナイトフジコ」が社長肝入りのプロジェクトと言われるなか、フジテレビにはテレビ局の本気を見せつけてもらいたいものだ。