10月16日、オランダ・アムステルダムの「ゴッホ美術館」は、「ポケットモンスター」のコラボレーション企画で配布していた、〝ゴッホの自画像をモチーフとしたピカチュウの限定トレーディングカード〟の配布終了をアナウンスした。
同館は今年開館50周年を迎えており、9月28日から来年1月までポケモンとのコラボを実施。ゴッホの名画に模したポケモンキャラの絵画の展示や、ポケモンが登場する体験型プログラムを実施していた。限定カードの配布はその一環だったが、開始早々から限定のカードや商品を目当てにいわゆる「転売ヤー」が殺到。会場の混乱をきたすばかりか、ネット上の通販サイトでそれらを高額転売するヤカラが続出したのだ。
「ターゲットになったカードは、トレーディングカードゲームの『ポケモンカードゲーム』、通称『ポケカ』で使用するものです。ゲームボーイ用ソフトとして初代ポケモンがリリースされた96年から発売されていますが、世界大会が開かれるなど日本だけでなく海外でも高い人気を誇っています」(ゲーム誌ライター)
ポケカはトレーディングカードの性質上、レアカードがコレクターの間で高値で取引されることが多く、過去には数千万円の値が付いたものもあるという。特に近年は、16年にアプリゲーム「ポケモンGO」の世界的流行でポケモンファンが増えたこともあり、何度目かのブームを迎えているのだとか。
世界最大のインターネットオークションサイト「eBay」では、ゴッホピカチュウのカードは開封済みの物で最低でも100ドル(約1万5000円)、未開封で1500ドル(約22万円)の高値で売買されていた。日本では、フリマアプリ「メルカリ」に出されるケースが多く、平均で3万円~5万円の値が付けられ、中には30万円という強気の価格設定をした出品者もいた。
「実際に現地購入した人だけでなく、欧米のオークションサイトで購入したカードをさらに転売している出品者もいると思います。ポケモンは世界的な人気コンテンツだけに、こうしたコラボ商品が数多くあります。日本でも18年に東京美術館の『ムンク展』とコラボ。限定トレカやコラボグッズが同様に高額転売されています。今回の限定カードについては、これ以上の高騰を避けるため、在庫分をイギリス、アメリカの公式ポケモンショップでポケカ商品購入者への特典として配布することが決定されています」(前出・ゲーム誌ライター)
「転売ヤー」は日本だけでなく国際的な社会問題だったようだ。