受験をするのもレッスンに通うのもタダ。そのお手軽さから、全国におよそ700人いると言われているのが、ジャニーズJr.予備軍だ。小学生から高校生までに広く門戸を開放し、つねに入れ替わるため、正式な人数は把握されていない。
そんな未来のスターたちは基本、先輩ジャニーズのバックダンサーで初めてステージに立つ。そこで認められれば、ポジションがどんどん前方、センターになっていくという実力社会だ。映像制作会社の現役スタッフはいう。
「会社からプッシュされているJr.クンは、とにかく忙しい。1公演で1キロ以上を走り、1日の3公演も当たり前。暗記力、運動神経はもちろん、3公演をハシゴできる若さ、体力も問われます」
ジャニーズライブで欠かせないのは、ステージ衣装の早着替え。Jr.自身も2重、3重の重ね着だが、そのうえで、先輩たちのサポートもしなければならない。
「リーダー的な2人が任されるのは、ハーネスの装着。フライング時の羽です。落下なんてことになったら一大事なので、任されたJr.は自分の出番より緊張するそうです。ほかにも、同じく命を預かるローラースケートの装着も、信頼できるJr.の重要な役割です」(前出・映像制作会社の現役スタッフ)
メンバーのほとんどが未成年なので、学業を優先。レッスンやライブは学校帰りで、「せめて温かいものを」というスタッフの優しさから、夕食はお弁当ではなくホットミールだ。小・中学生は、就業規定時間の20時になったら帰宅。たとえコンサート中でも帰る。そのため、その日の主人公に会わないまま家路につくJr.も意外と多い。
明日のSMAPを夢見て、ひたむきに頑張るJr.たち。ミリオン歌手はここから生まれてくるのだ。
(北村ともこ)