ジャパニーズホラー(Jホラー)の金字塔と言える映画「リング」シリーズで、若き日の山村貞子役を演じた仲間由紀恵が、“怒鳴られ倒された”という撮影時を振り返った。
仲間が「18歳の貞子」を演じたのは2000年公開の「リング0 バースデイ」。21歳だった仲間にとって初の主演映画だったが、経験値が浅かったこともあり、現場では「すごく怒られて。毎日、監督から怒鳴られ倒されましたね」とのことで、まさに、壮絶な日々だったようだ。さる11月12日にゲスト出演した「日曜日の初耳学」(TBS系)で語っている。
劇中での貞子は、幼少期より特殊な能力を秘めていたことから、周囲より敬遠され、本人もトラウマを抱えているという複雑な役どころ。その半生を描いた同作について、仲間は「どんな人生で死に至るのか。貞子という暗い闇を抱えた女の子なので、一歩歩くのもずっとNGをもらっていて。『歩き方が違う!』って、毎日毎日言われてましたね」と、細かい所作にも“貞子っぽさ”を求められたという。
続けて、「座ってるだけでもNGって言われましたからね。『貞子はそんなふうには座らない!』って。体で表現するということを、本当に勉強させていただいた作品でしたね」とも。実に芝居における学びが多かった作品でもあるようだ。
「第1作目の『リング』はハリウッドでも映画化されるほどの反響となり、Jホラーの代名詞ともいえる不朽の名作です。前日譚の『バースデイ』は作品人気を支える貞子にスポットを当てた、異色のオーラを放つ話題作。主演デビューの作品としてはかなりハードルが高く、貞子の特殊すぎる境遇は他に参考にできるケースも存在しないため、役になり切るのはかなり困難だったでしょう。視聴者からは、そんな仲間の新人時代のエピソードにネット上で『仲間由紀恵さんクラスの女優でも厳しい壁を乗り越えてきたのか』『貞子さんも苦労したのね』などの声があがりました。なお、『リング0 バースデイ』でメガホンを取った鶴田法男監督は“Jホラーの父”とも呼ばれ、オリジナルビデオ『ほんとにあった怖い話』シリーズや、ドラマ『学校の怪談』などを手がけた巨匠。仲間への『貞子はそんなふうに座らない!』という指示からも、鶴田監督のホラーへの強いこだわりが伝わりますね」(テレビ誌ライター)
2000年1月に「リング0 バースデイ」が公開された半年後、仲間はテレビ朝日系ドラマ「TRICK(トリック)」に主演し大ブレイク。その地位を確固たるものとし、人気実力派女優への道を邁進していったのだ。
(木村慎吾)