10月初旬にがんが見つかり、10月27日には公式ホームページで肝内胆管がんの治療に専念するため、執筆活動の休止を明らかにしていた伊集院静さんが11月24日に73歳で死去した。肝内胆管がんは、ある程度進行するまで症状が出ないことが多いため発見が難しく、治療が困難な“難治性がん”としても知られている。
小説「機関車先生」やエッセー「大人の流儀」シリーズなどが有名だが、「伊達歩」の名義で作詞家としても活動していた。特に近藤真彦とはデビューシングル「スニーカーぶる~す」のB面「ホンモク・ラット」からの付き合いで、1981年9月リリースのヒット曲「ギンギラギンにさりげなく」、1987年元日リリースの第29回日本レコード大賞を受賞曲「愚か者」などは、老若男女問わず今でもカラオケで歌い継がれている。
また、1999年2月リリースのKinKi Kids「やめないで,PURE」は、堂本剛主演ドラマ「君といた未来のために~I’ll be back~」(日本テレビ系)の主題歌で、ファンの間では「好きか嫌いか」がハッキリ別れる珍しい1曲と呼ばれている。
「伊集院さんはこれまでの仕事やギャンブル好きの無頼派キャラであったことより、7年間の不倫関係の後に1984年に夏目雅子さんと再婚したことを思い返す人が多いのではないでしょうか。伊集院さんは再婚前、夏目さんと桃井かおりに挟まれ三角関係だった時期もありました。翌1985年に夏目さんと死別。その後、京都の芸妓・佳つ乃さんと3年間同棲したことも。さらに夏目さんの実兄と結婚した故・田中好子さんの紹介で篠ひろ子と1992年に再々婚。華やかな女性関係があったからこそ、小説やエッセーを書くことができたのかもしれません」(女性誌記者)
執筆休止からわずか1カ月ほどでの旅立ち。新作がもう読めないことが残念でならない。