旅を通して子どもに日常では体験できない学びの機会をもたらす「旅育」に注目が集まっています。これには、旅先の観光スポットで歴史や地理などを学習するだけでなく、アウトドアや手作り体験など、普段体験できないことを通じて心身共に学ぶことも含まれています。
そんな旅育の中でも、美味しく味わいながら学ぶ「食育」をプラスするのがオススメです。地元のフードを食べたり作ったり触れたりする体験を通じて、食の大切さや地域の食を学ぶのです。今回は、食育体験ができる旅のアイデアを3つ紹介していきましょう。
■日産自動車「道弁 NISSAN SERENA」を食しながら産地を巡る
日産自動車が2024年1月20日以降から順次、土曜日・日曜日の週末限定で、車専用のお弁当「道弁 NISSAN SERENA」をサービスエリアで販売することを発表しました。
車内でも楽しめるようにワンハンドで食べられるメニューになっていて、お弁当箱は家族旅行にぴったりのミニバン「セレナ」のカップホルダーに収まるサイズなんだとか。5段に分かれており、1段1段に各地域の食材を使用した1品が入っているそう。お弁当は2種類あり、東日本版はEXPASA海老名(下り)、西日本版は宝塚北サービスエリアにて販売されます。
レシピは人気料理研究家のコウケンテツさんが監修。お弁当にはガイドブックがついていて、使用されている食材の産地や、それらを巡るドライブルートが一目で分かるマップが載っています。例えば、東日本版の1段目は「キャベツの彩りナムル巻き/神奈川県」、2段目は「まいたけのケランマリ/群馬県」。これらを味わいながら、食材の産地に実際に赴いて学べるというわけです。
日産自動車の村田直哉さんによると、「弁当に同梱されている産地のマップを見ながらその土地に実際に行ってみたり、その場所に思いを馳せたりすることで、家族間でより深く食についての会話が生まれると思います」とのこと。子どもにとって貴重な食育体験となりそうです。
■文化庁「100年フード」を旅先で食しながら学ぶ
最近話題になっている文化庁の「100年フード」。日本の各地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、“100年続く食文化”の意味として100年フードと名付け、継承していくことを目指す取り組みです。
公式ホームページでは、都道府県別にそれぞれの名物などが詳細な解説と写真と共に掲載されており、これを見るだけでも楽しめます。そして、この100年フードは、各地へ旅行に出かけたときに「何を食べるか」の参考にもなりそうです。食育として、子どもと一緒に地元に伝わる食文化を食べながら学ぶというのもよいかもしれませんね。
■「カゴメ野菜生活ファーム富士見」で野菜収穫体験をする
ただ食べるだけではなく、食材がどのように育ち、生み出されるかを子どもに体験させるのも大切なこと。旅先で農家の収穫体験などをアクティビティとして取り入れれば、食育としての旅にもなりそうです。例えば、カゴメが運営する長野県の「カゴメ野菜生活ファーム富士見」で、野菜収穫体験を楽しんでみるのも一案です。
ファーム内の農場では、八ヶ岳の麓の冷涼な気候を生かした野菜が栽培されており、春から秋の季節には野菜の収穫を体験することができます。4〜8月は天井トマト、8月はとうもろこしと完熟トマト、7〜10月はミニトマト収穫が体験可能なようです。収穫した野菜はお持ち帰りできるので、採れたて野菜の美味しさを、子どもに存分に味わせることができそうです。
幼い頃に得た体験は、一生モノの宝になります。今しかない育ち盛りの時期に、ぜひ旅を通じた食育を計画してみてはいかがでしょうか。