冬真っ只中、美容賢者が意識して食べる食材があるって知っていましたか?
それは…山芋です!え、イモ類って糖質多いからよくないのでは?という方も多いと思いますが、そんなことはありません。山芋は昔から、漢方や薬膳といった東洋医学でも重宝されてきた食材。もともと「山薬」という生薬としても古くから活用されてきました。
生薬解説の古典本「本草備要」で、山薬は胃腸の調子を整えて肌を潤し、痰を解いて、下痢を止める作用があるとされています。
山芋は消化酵素を含むので、胃腸の働きを助けてくれます。また、山芋に含まれるムチンというねばねば成分は、粘膜を保護する性質があります。
冬はのどや鼻の粘膜が乾燥しやすくなるほか、冷えや年末年始の暴飲暴食もたたって胃腸の働きが弱くなりがち。胃腸も粘膜でおおわれているので、粘膜の保護効果が落ちると物理的にバリアがなくなるのでウイルスも侵入しやすくなってしまいます。意識的にねばねば成分を摂ってあげることで、傷んだ粘膜を保護して保湿してくれます。
また、山芋はレジスタントスターチという難消化性のでんぷんをふくんでいるので、血糖値があがりにくく、イモ類の中ではダイエット向きの食材。
レジスタントスターチは冷たいほうが効果を発揮するので、生のまま食べると最大限効果を発揮します。山芋は生食でも食べることができる食材なので、ダイエットメインで摂取したい方は、長芋の漬物やすり下ろしなど、生でいただくとよいでしょう。
加熱をすると山芋の持つ消化酵素の効果が多少落ちてしまいますが、加熱した山芋は疲れに効く「気を補う食材」としても知られています。また、加熱により胃腸も温まり、ほくほくした食感で食べ応えも出てくるので、しっかりとおかずとして摂りたい場合は加熱料理もおすすめ。
ちなみに、山芋でかゆくなりやすいという方は山芋の皮付近に含まれるシュウ酸カルシウムが刺激となるのですが、加熱することでその刺激も出にくくなります。
シュウ酸カルシウムは酸とくっつく性質があるので、山芋の調理が苦手な方は皮をむいた後に酢水やレモン汁をしぼって水に少し漬けるとよいです。かゆみが出やすい方はお試しくださいね。
山芋はスーパーで気軽に買える万能食材なので、ぜひ冬のレパートリーに加えてみてください。
(安藤恵美)