TKOの木下隆行といえば、最近はお笑い芸人だけでなく俳優としても活躍中だ。さらに今年、ぽっちゃり男性向けのファッションブランド「BUCCA 44」を立ちあげ、新たな一面を見せている。
そんな木下の母親が実は芸人であることはあまり知られていない。
「母の定子さんは、木下と同じ松竹芸能に所属するタレントです。飲食産業『きのしたグループ』の会長でもあり、ピーク時には鉄板鍋、焼肉、からあげなど全国に50店舗も展開していました。絵に描いたような肝っ玉母ちゃんですが、昔は借金地獄だったそうです」(エンタメ誌面集者)
40年ほど前、父の会社が倒産。取り立てに追われる毎日になったため、3男1女の家族は17回も引越をした。幼い子どもたちは、常に靴下がふぞろい、穴が空いているのは当たり前。弁当は、白ごはんのみだったという。
「定子さんがスゴいのは、夫が末期ガンを宣告されたあと、焼き肉店をオープンしたところです。貧乏時代、家族にふるまっていた、鶏肉と白菜をしょうゆと砂糖で味つけしただけの安上がり鍋料理を、店のメインメニューにしたんです。すると、労働者の間で大人気に。それがのちの鉄板鍋屋に発展し、地元の大阪から全国展開しました」(前出・エンタメ誌編集者)
借金を作った父は、店舗の拡大を見届けて逝去。未亡人になった定子さんは、65歳にして芸能人デビューをするという奇想天外な人生を送っており、70歳になった今なおパワフル。多方面に才能を発揮している息子を超える存在になる日もそう遠くないのかもしれない。
(北村ともこ)