2022年6月20日放送の「ノンストップ!」(フジテレビ系)に生出演し、「本当におばあさんの役がない。じいさんはまだ使われているんだけど。笹野とか、私より若いけど」と、現在75歳の役者・笹野高史の名前を出し、素直に嫉妬心を口にした笹野より1つ年上の女優がいたことをご存じだろうか。
その人の名は泉ピン子。年齢を重ねると女優は仕事が減るという現実は、泉だけでなく桃井かおりや戸田恵梨香も公言しているが、ここまでハッキリとわかりやすい言葉で発言したことがあるのは、泉しかいないのではないだろうか。
そんな泉の発言をしみじみと感じさせてくれるのが、放送中の岸井ゆきの主演ドラマ「お別れホスピタル」(NHK)。沖田×華氏の同名漫画を原作にした療養病棟を舞台としたヒューマンドラマで、2月3日放送の第1話では、丘みつ子、松金よね子、白川和子が次々と亡くなる患者を好演。その後も高橋惠子が「オイ」しか言えなくなった52年間連れ添った夫を甲斐甲斐しく介護しながらも「早く逝ってください」と耳元でささやく妻を演じたり、根岸季衣が息子からはお堅い母だと思われていたのに、男性ケアワーカーにベタベタとまとわりついて困らせる患者を演じたり、ほかにも木野花、鷲尾真知子、樫山文江などベテラン名女優が大勢キャスティングされ、異彩を放っているのだ。
「もちろん泉もキャスティングされていて、自発呼吸できなくなった夫に延命治療を依頼したものの悩む妻を演じています。これだけ多くのベテラン女優たちが“おばあさん役”で登場するドラマに、視聴者たちからは『これだけ主役クラスの女優を多数キャスティングができるのはNHKだからでは』『出演者の年齢がここまで高いドラマは民放ではできないと思う』『白川さんや高橋さんが艶っぽさ全盛だった頃を知っている者にとって、このドラマは感慨深い』といった声があがっているようです」(女性誌記者)
“おばあさんの役”を演じるベテラン女優をもっと見せてほしい。