〈2月28日(水)の放送における薬剤師の業務に関する発言で、一部不適切な内容がありました。窓口で薬剤師が症状等の確認をすることは、法律(薬剤師法)に基づいた適正な業務であることなど、薬剤師に関する番組側の認識が不足していました。また医師と薬剤師との関係について、薬剤師の方々および関係する皆様に、ご不快な思いをお掛けした内容もありました。謹んでお詫びいたします〉
3月5日、大阪のABCテレビが、「番組から皆様へ」と題し、このようなお詫び文を、同局の「これ余談なんですけど…」番組公式サイトに掲載した。薬剤師の業務に関する出演者の発言で一部不適切な内容があったとしたものだが、お笑いコンビ「かまいたち」(山内健司、濱家隆一)がMCを務める同番組の2月28日放送回のテーマは「せっかちな関西人がイライラする瞬間」。事実、番組が放送されるとたちまちに物議を醸していたのだ。いったい、どんな放送だったのか―。
同放送回では、テーマに沿って「処方箋を持って病院の近くにある薬局に行った時」に感じるという“イライラ”についてトークが展開された。ここで、山内は「処方箋を見て、薬を渡してくれる薬剤師の人がカウンセリングじゃないけど、『どうされたんですか?』『今、お熱あるんですか?』って(聞いてくる)。いや、関係ない」と、薬剤師からも改めて体調などを確認されることを疑問視。さらに「それ(症状の説明)はもうしてきた。その結果、これ(処方箋)をもらって渡してるねんから、さっさと薬をもらって帰りたい」「『どうされたんですか?』『いつからお熱出てるんですか?』って、あれもう、全然要らん時間やなって思っちゃう。シンドイから、はよ薬渡して帰らせてほしいのに」などと述べ、医師の診察後はスムーズに薬だけを渡してほしいと嘆いたのだ。
「この山内のクレームに、共演者の元アジアン・馬場園梓も『わかる! そいつに言ったって薬変わらへん』と共感。さらに、濱家は『薬剤師さんも医療に携わっているから、一応…“医者あこがれ”みたいなものがある』とまで言い放ったんです。しかし、山内や馬場園が言うように“二度手間”にも思える薬剤師による問診ですが、医師が見落とす可能性のある持病や過去のアレルギー症状などを発見できる場合がありますし、実際、放送終了後すぐに、視聴者からは、薬剤師による処方の最終チェックにより、誤った薬が処方されていたことが判明したケースがあったとする書き込みが多く見られました。また、『医療知識は医者のほうが上ですが、薬に関しては薬剤師のほうが知識があります。しんどいかもしれませんが、最悪、命に関わるので大切な時間です』との指摘もありました。それなのに、そうした患者のための二重の問診を行っている薬剤師に対し、『要らん時間』『そいつに言っても薬変わらん』などと話した山内と馬場園には、『すごい言われようだなと思います。世の薬剤師さんが聞いたら傷付くでしょうに…』『処方ミスを水際で阻止してくれるのが薬剤師さんですよ?』『薬剤師です。自分の仕事を否定されている気分です』『愚痴るならまず“何故そういうシステムなのか”を少しでも調べようと思わないのか』などの批判が集まったんです」(テレビ誌ライター)
山内、濱家、馬場園本人やその家族の安全が守られているのは、日々の薬剤師による最終チェックのおかげでもあるということだ。濱家は3月1日に自身のXで「処方箋の件、考えなしに失礼な事言ってしまいました 薬剤師の皆さん、本当にすみませんでした」と謝罪していたが、ABCが謝罪するに至ったのも当然の流れだろう。
(木村慎吾)