3月3日放送の「光る君へ」(NHK)第9話「遠くの国」を視聴した人々から「直秀の早すぎる死亡退場」を嘆く声が続いている。
直秀とは史実には存在しない脚本の大石静氏が生み出した、毎熊克哉が演じたオリジナルキャラクターのこと。貴族ばかりがぞろりと出てくる今作品の中で「庶民の目」を持つキャラとして描かれ、昼間は散楽、夜は義賊として貴族たちの屋敷に潜入し、奪った金品は貧しい者たちに分け与えていたのだが、第8話「招かれざる者」で東三条殿に潜入。仲間の1人が見張りに見つかってしまい、それを放っておけなかった直秀は引き返したことで捕まってしまう。
第9話では道長(柄本佑)の命で検非違使に引き渡され、流罪になると思われたのだが、直秀らが義賊だと知った道長は、牢獄の管理や犯人の逮捕を行う看督長に袖の下を渡し、処分を軽くするように交渉する。しかし、下級役人たちが直秀たち義賊を全員惨殺。カラスに食われている何体もの遺体を見つけた道長は、土を握りしめて苦しみながら息絶えたと思われる直秀の手を開き、自身が持っていた扇子を握らせる。そんな何とも印象的なシーンが描かれた。
直秀が土を握って亡くなることは台本に書いてあったことではなく、毎熊が提案し、第9話の演出を担当した中泉慧氏が採用したシーンだったという。毎熊と中泉氏は同い年で2018年下半期放送の朝ドラ「まんぷく」で知り合い、それ以来の再会だったそう。
「毎熊は直秀が土を握りしめて亡くなることで、国の権力に対しての反抗、悔しさがにじみ出た死に方になっていたら望ましく、そんな思いを道長にバトンタッチするようなニュアンスを伝えたかった、といった思いを、3日に公開された『シネマトゥデイ』のインタビュー記事の中で明かしています」(女性誌記者)
ネット上では、オリジナルキャラクターを演じた毎熊が退場したということは、松下洸平演じる、同じくオリジナルキャラクターである宋の見習い医師・周明(ヂョウミン)が目立ってくるタイミングだろうと予測されているが、3月17日放送の第11話の展開に注目したい。