女優の石原さとみが4月17日、主演映画「ミッシング」(5月17日公開)の完成披露試写会に登壇。「夢が叶った宝物のような作品」と語り、目を潤ませる一幕があった。
同作品は、娘の失踪事件をきっかけに情報化社会の荒波に飲み込まれていく母親の葛藤を描いたヒューマンドラマ。メガホンをとった吉田恵輔監督のオリジナル脚本で、現代社会の闇に鋭く迫る社会派エンターテインメントにもなっている。
出産後初の映画出演となるが、じつは石原は7年前から「自分を壊してほしい」と吉田監督に起用を直談判していたそうだ。ところが吉田監督からは「すいません、苦手です」と、まさかの回答。「石原さんは華がスゴい。俺の映画は地味。石原さんは港区臭がスゴくて」という理由だったが、「ミッシング」の脚本を仕上げる中で石原へのオファーを決めたのだそうだ。
娘の失踪により疲弊する母・沙織里を演じるにあたり、石原は振り切った役作りに挑戦している。なんでも「監督と美容室に行きまして、美容師さんに『髪を傷ませるためにはどうすればいいですか?』と聞いて、まだらに染めた」のだとか。さらに「そのままボディソープで毎日洗っていたらすごく傷みました。オススメです」と笑った。
「並々ならぬ意気込みで現場入りした石原について、吉田監督は『沙織里をこの世に下ろして、取り憑かれたようだった』『現場には沙織里がいた』と役に憑依した姿を絶賛しています。7年前の石原といえば、16年公開の『シン・ゴジラ』で流暢な英語を話すアメリカ合衆国大統領の特使を演じたり、18年放送のTBSドラマ『アンナチュラル』では法医解剖医を熱演し、インテリで“デキる女”という役が多かった。しかし今回は、髪の毛をわざと傷ませたり、爪を汚したり、体をゆるませたりといった、これまでの彼女のイメージとは真逆の役作りを見事にやりきっています」(エンタメ誌ライター)
アイドル女優と呼ばれたのも今は昔。“港区臭”を消し去った石原の新たな挑戦を見届けたい。
(木村慎吾)