日本で初めての女性として弁護士、裁判官、裁判所長をそれぞれ務めた三淵嘉子さんをモデルに制作されている、放送中のNHK朝ドラ「虎に翼」。NHK朝ドラはどれも、史実を参考に作られるフィクションなのだが、今後の展開を予想する時には有力な手掛かりとなってくれる。が、フィクションゆえ、必ずしも史実通りでもないのは言うまでもない。
「たとえば、昨年上半期に放送された『らんまん』です。植物学者の牧野富太郎をモデルに制作された作品で、史実では早逝する妻の小澤壽衛(すえ)さんをモデルに描かれた寿恵子(浜辺美波)が登場しましたが、ドラマでは、長生きしました。神木隆之介演じる主人公の万太郎との仲睦まじい姿が感動を呼びましたね」(テレビ誌記者)
実は、その意味では、「虎に翼」に心配するような声が聞こえ始めている。理由は、仲野太賀演じる司法浪人・佐田優三のモデルになっている史実上の人物・和田芳夫さんが終戦後に上海から引き揚げる途中の長崎で病死しているから。つまり仲野がもうじき「死亡退場する」ことも予測されるのだ。そのため視聴者からは、ネット上に「史実はどうか『らんまん』のように参考程度にとどめておいてください」と、祈るような声があがっているのだ。「史実通りなら、伊藤沙莉演じる寅子は司法試験に合格するものの、第二次世界大戦がほどなく勃発。1941年には仲野演じる優三と結婚。すぐに長男を授かるも優三は43年に招集され、3年後の46年に亡くなってしまいます。史実がそのまま活かされるなら、寅子と優三の想像するだけで楽しそうな結婚生活はあまりに短すぎます。『やっぱり優三は死亡退場するのかな』『戦争の足音=優三の死期が迫っているということだから、史実は考えないようにしてる』『優三が寅子を支えながら生き続けるってことは…ないだろうなぁ』など、嘆きたくなる気持ちはとてもよくわかります」(女性誌記者)
はたして、優三にはどこまで史実が反映されるだろうか。