慶應大学出身とあって、クイズ番組でもインテリ枠タレントとして活躍している元乃木坂46の山崎怜奈。その彼女が、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃をめぐり、アメリカの大学生がデモを展開していることに対して投げかけた疑問に波紋が広がっている。
イスラエル寄りとの批判が集まる民主党のバイデン政権下のアメリカでは今、若者の支持離れが深刻化。コロンビア大学をはじめ、イエール大やブラウン大など全米の名門校で学生を含めたデモが過熱。報道によれば、コロンビア大では約100人が逮捕され、5月5日までに反イスラエルデモで2000人以上の逮捕者が出ている。
そんな中、山崎は5月4日放送の報道番組「ウェークアップ」(日本テレビ系)で、これら抗議デモの広がりについて「学生たちと年齢が近い私からすると、せっかく入った難関大学を退学処分になるかもしれないという可能性もはらんでいる中で、デモの有効性ってどこまであるんだろう」「若者たちが起こしているデモがアメリカの政府とまではいかなくても、国を動かすっていうことがどのくらい可能なのか」などと、実際のデモの効果に懐疑的な見方を示したのだ。
すると、この山崎の見解が「コスパ志向の行き着く先」「損得で考える意味がわからない」などと物議を醸していることをネットニュースが報道。さらに、これを音楽プロデューサー・松尾潔氏がXで引用し、「こんな私見を読売テレビの番組で放ったのはタレントの山崎怜奈さん。ご自身も有名大学をご卒業されているとか。暗澹たる気分になりますね」と綴り、違和感を表明するなど余韻が続いている。
「他国に比べ、現在は学生によるデモがあまり身近ではない“平和”な日本においては、山崎のコメントを“ごくごく普通の意見”として解釈する向きもあります。ただ、イスラエルによるガザ地区侵攻は過激化の一途で多くの犠牲者が出る大量虐殺に相当するとの世界からの批判が殺到している状況です。現地で罪のない人民の命が奪われているのは事実であり、イスラエルへの経済制裁やパレスチナ支持を表明する学生たちからすると、『せっかく難関大学に入ったのに…』という自身の進路と天秤にかけるような山崎の意見は、“平和ボケ”と捉えられても不思議ではないでしょうね。学生たちにとっては相応の覚悟で臨んでいるデモであり、日本の芸能界に生きる山崎が彼らの想いを100%理解することは難しいにせよ、その意義までをも“効果あるの?”と疑問を呈するのは、まさに対岸の火事というスタンスそのもの。こうした民衆による決死のデモが国を動かしてきた歴史もあるのは事実で、山崎のコメントには様々な意味で『かなりガッカリ』とする声や『大学で何も学んでない』との反応まで見られました」(テレビ誌ライター)
事前にこの問題についてコメントを求められることはわかっていたとしても、限られた時間内である意味、反射的に答えざるを得なかった面はあるだろう。ただ、それだけにファンにとっては彼女に抱く理想が裏切られたような気持ちになったかもしれない。
(木村慎吾)