小池百合子氏の圧勝で終わった7月7日の東京都知事選挙。同日に放送された和田アキ子がMCを務める「アッコにおまかせ!」(TBS系)で、都知事選に関する誤った情報が放送され、SNS上で大きな混乱を引き起こしてしまった。
この日、番組では「ついに投開票! 意外と知らない!?投票所グッズ雑学」と題して、投票にまつわる様々な雑学を紹介。投票箱の材質や中身の様子など、公職選挙法で定められている知られざる決まりなどをわかりやすく解説した。
その中で宇内梨沙アナが「(投票所には)投票所入場整理券を持って行ってください。これがあれば自身を証明するIDカード、マイナンバーカードなどは持っていかなくて大丈夫」と説明。続けて「ただ、こちらをなくしてしまった人は、マイナンバーカードを持参してください」と発言したことで、視聴者から間違いの指摘が相次いだ。
実際、東京都選挙管理委員会の公式Xアカウントでは、「投票時に投票所入場券を忘れても、選挙人名簿に登録されていれば投票できます」と記されており、必ずしも持参する必要はないことから、視聴者から「もうアッコには任せられない」といったツッコミが殺到したのだ。
テレビ誌ライターが語る。
「東京都選挙管理委員会事務局の公式サイトには『入場券が届いていない場合やなくしてしまったときでも選挙人名簿に登録されていれば投票はできますので、投票所で受付の係員に申し出てください』と説明されています。入場整理券がない場合は、身分証明証などがあれば本人確認がスムーズになるだけで、必ずしも必要とはされていません。また運転免許証や健康保険証でもいいのですが、番組ではあたかもマイナンバーカード必須のように報じたため、『BPO案件ではないか』と批判の声が殺到しています。奇しくも6日には経済学者の竹中平蔵氏が『日本でも投票するためにマイナンバーカードの提示を求めてはどうか。』と一部メディアに語っており、番組との関連性を疑う声まで上がっています」
マイナカードを巡っては、保険証や運転免許証との一本化が進められているが、個人情報保護の観点などから自治体からも懸念が出ている。この日の放送では他にも、「漢字で立候補している候補者は漢字で、ひらがなで立候補している候補者はひらがなで書かなければならない」という誤った情報が伝えられ、番組中に訂正が行われたが、「ミスリードばかりで見るに堪えない」という声も続出した。
和田への出演者の忖度が目立つなどの理由で、ニュースサイトで「もう終わっていい長寿番組」1位に選ばれたりもしている同番組に対する不信感が、一気に膨らんでしまったようだ。
(ケン高田)