お笑い芸人・やす子への暴言で、タレントのフワちゃんが芸能界引退のピンチを迎えている。テレビまで今回の騒動を報じているので詳細は割愛するが、フワちゃんはシャレにならない「死んでくださーい」というメッセージをやす子に投げかけ、当然ながら大バッシングを受けている。
今回の騒動を受けて、8月5日に放送予定だった、フワちゃんがパーソナリティーを担当する「フワちゃんのオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)は急きょ放送を休止。さらに、フワちゃんはスマートフォン・Google PixelのCMに出演しているが、6日になると動画やサイトが閲覧できないようになるなど、多方面で影響が出始めている。
これまでは傍若無人な言動で何度も炎上を起こしてきたフワちゃんだが、今回ばかりはシャレにならず芸能界から退場となる可能性が大となってきた。
なぜ、フワちゃんの暴言はここまで一気に大炎上してトラブルになったのか? 大きな理由に、フワちゃんの毒舌が「キャラ」だったことが関係しているだろう。タメ口や毒舌、奇抜なファッションで芸能界をのし上がっていったフワちゃんだが、過去に本人が出演した「おしゃれイズム」(日本テレビ系)にて、裏では礼儀正しいことが紹介されたこともある。
また、仲の良い芸人からはしっかりと挨拶もでき、毒舌はあくまでテレビ向けのキャラとして本人が演じていたことが明かされている。実際、筆者がテレビ関係者にフワちゃんの評判を聞いてみても、遅刻など多少はあるもののそこまで悪い話はでてこなかった。
そういった裏側を多くのファンが知っていたからこそ、毒舌や傍若無人な振る舞いも「キャラ」として許されていた部分がある。本当はいい人だと思っていたからこそ、今回の弱いものイジメのような行動が、アンチだけでなくファンからも総バッシングを受ける羽目になったのだろう。
そんなフワちゃんは、芸能事務所に所属せずフリーで活動したことが最大の弱点になっていたことが今回の騒動を見るとよく分かる。例えば、フワちゃんも共演が多い有吉弘行は、毒舌キャラにて芸能界で再ブレイクを果たした芸人だ。正直言えば、かつての有吉の傍若無人ぶりは、現在のフワちゃんよりひどかったと記憶している。ただ、有吉の場合は太田プロダクションという事務所で“管理”されていた上に、上島竜兵さんを中心とする仲間の芸人にしっかりと支えられ再ブレイクを果たせた。有吉は毒舌をテレビで吐きながらもしっかりと暴言にならない線引きを行い、計算し尽くされた悪口で視聴者から愛される存在へと駆け上がっていった。
一方でフワちゃんに関してはフリーランスであること加えて、彼女をコントロールし、意見できる人間が周囲にいなかったのだろう。本人もラジオで話しているが、マネージメントを行っている人物は御用聞きのような状態で、フワちゃんに意見できるような立場でないことがうかがえる。また、友人とされる指原莉乃やアンミカ、藤田ニコルなどは、フワちゃんから明かされている関係性からすると、単なる友達で、仕事のことをアドバイスするような間柄ではないことがわかる。
毒舌や傍若無人な物言いを売りにしていたフワちゃんだが、軌道修正を本人も周囲もしなかった結果、「死んでくださーい」などという暴言を何の考えもなしに投稿できたのだろう。フワちゃんはやす子とも番組で共演経験があり、2人は知らない仲ではなかった。過去に、フワちゃんがやす子をSNSでイジっていたこともあり、「死んでくださーい」という投稿も悪ふざけくらいの気持ちでつぶやいたのだろう。キャラとして毒舌を利用していたが、タレントとしてやってはいけないことの線引きを、本人もわからなくなっていたのではないか?
ある意味で、ここまで無責任に担ぎ上げた、テレビやメディアの犠牲者なのかもしれない。
ただ、いまさらどれだけ反省しても、いまのフワちゃんを巡るマネージメント体制では、いつかまた同じことを繰り返すことになってしまう。メッキが剥がれてしまった以上、芸能界にしがみつくのはもうやめにしたほうがいいだろう。
(渡邊伸明)