J1・サンフレッチェ広島が9月2日、元ポルトガル代表FWゴンサロ・パシエンシアを完全移籍で獲得したと発表。背番号「99」の着用が決まり、首位を走る広島にとっては頼もしい強力な助っ人外国人となりそうだ。
現在30歳のパシエンシアは187cmの長身を誇る点取り屋で、母国の名門ポルトで2015年にデビューした後、アカデミカ・コインブラやギリシャの強豪オリンピアコス、ドイツのフランクフルト、シャルケなどを経て、22年にスペインのセルタへ加入。昨季はレンタル先のボーフムで公式戦21試合に出場していた。
また、ポルトガル代表でも17年以降、2キャップを記録。19年11月開催のEURO2020欧州予選・リトアニア戦では、同国が誇るレジェンドFWクリスティアーノ・ロナウドと2トップを組み、見事な代表初ゴールを奪うなど、その実績は十分だ。
今回、そのキャリアで初めて欧州を離れ、日本の地へと降り立ったパシエンシアは、広島への加入に際し「ファン、サポーターの皆さんにお会いできることを楽しみにしています」と語ると、「ここは私が最初から来たいと思っていた場所であり、私がこれまでのキャリアで築いてきたことと同様、戦うことができるチームだと感じました。この素晴らしいクラブに導いてくれたミヒャエル・スキッベ監督とセハット・ウマルコーチに感謝したいです」とのコメントを残している。
「パシエンシアの言葉にあるように、彼のアジア上陸が広島の地となったのは、21年11月にクラブが招聘したドイツ人のスキッベ監督の存在が大きいでしょう。彼もまたパシエンシアと同様、ヨーロッパでの経験が豊富で、ドルトムントやレバークーゼン、フランクフルトなどの名門クラブを率いたほか、ドイツ代表の戦術部門ヘッドコーチとして、02年の日韓W杯や、EURO 2004などの国際舞台に参戦。パシエンシアのようなベテランだけでなく、若手の育成にも定評があり、広島ではFW満田誠やMF川村拓夢らを後の日本代表プレイヤーに育て上げています。今季は9月3日時点で29試合を戦い、15勝10分4敗の勝ち点55で首位に君臨。特にリーグ最多である53のゴール数を誇る攻撃陣は魅力的で、パシエンシアの加入によりさらなる爆発力を見せてくれることを期待したいですね」(スポーツライター)
広島は15年以来、9年ぶりとなるJ1優勝を叶えられるか。勝ち点で並ぶ2位・FC町田ゼルビアとのデッドヒートを制するためにも、パシエンシアの決定力はチームにとって大きな武器となってくれそうだ。
(木村慎吾)