テレビドラマに出ていた友人を見て、自分も「周りを笑わせたい」と思い現在の所属事務所に入所。初めて受けた映画「誰も知らない」のオーディションで主役に抜擢され、2004年に第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で史上最年少かつ日本人で初めて男優賞を受賞した柳楽優弥は、当時14歳だった。
08年8月には自宅で安定剤を大量に服用し病院搬送。その日のうちに退院し、後日「家族との口論が原因で自殺未遂ではない」と自身のホームページで公式発表した時に、誰もが柳楽の行く末を心配していたと思う。
8月25日放送の「おしゃれクリップ」(日本テレビ系)にはその柳楽がゲスト出演。映画「誰も知らない」では息子役の柳楽をネグレクトする母親を演じたYOUがVTR出演。くだらない相談の電話がいきなり柳楽からかかってきたりすると明かし、柳楽のことを「普段は何かボーッとしてます」と説明。「ほんとにあたし的には“息子”みたいな感じ」と語った。
だからこそ「子どもの時に有名になっちゃって辛かったんじゃないかと思いますけどね」「何でこんなことになってんだろうってこともわかんなかっただろうし、(有名になった)タイミング的に学校生活とかもすっぽ抜けちゃったと思うし。大人に囲まれて自意識が育つ時間がなかったと思うので、どっか行っちゃうのかなと思っているところはありましたけど」と心配していたことを明かした。
10年1月、19歳だった時に高校の1年先輩だった豊田エリーと結婚。同年10月には第1子女児が誕生。その頃、柳楽は演技の仕事から離れ、車のディーラーでは洗車の仕事、飲食店ではホールスタッフの仕事をバイトで経験。高橋一生と共演する「リクルートエージェント」のCMを見るたび、柳楽がおよそ1年間のバイト生活で体験したさまざまな実感は、きっと作品に還元されているんだろうなと思わずにはいられない。
「自分で歩けるようになるまでは不安だったと思いますけど。ちょっと逸れるとちゃんと(俳優に)戻ってきてくれたので、よかったと思います」「すごくいい役者さんだと思うので、臆せず今まで通り活躍していけると思います」などと、柳楽に対して芸能界の母らしい言葉を紡いだYOU。柳楽は10月スタートの新ドラマ「ライオンの隠れ家」(TBS系)で主人公の弟のために生きる穏やかな兄・小森洸人を演じる。
洸人は「ライオン」と名乗る謎の男の子と出会い、これまでの人生が一変する。5月31日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)にゲスト出演したYOUは、現在レストランで2カ月に1~2回ほど、フロアーや洗い物のバイトをしていると明かしていたが、もしや“芸能界の息子”から影響を受けてのバイトだったりして。
(森山いま)