お笑い芸人はゲン担ぎや願掛けに敏感だ。売れっ子の先輩から財布を譲り受けると運気が上がる、出世して引っ越した先輩のマンションに入居すれば売れる、などが有名だ。そして近年、話題なのが“売れるアルバイト”。例えば、ビルメンテナンスや清掃系のバイトは、3時のヒロイン・福田麻貴とゆめっち、モグライダー・芝大輔、オダウエダ・小田結希と植田紫帆、ぼる塾・あんりと田辺智加、ガンバレルーヤ・よしことまひるら、多くの売れっ子たちが経験している。
「福田麻貴とゆめっちは、銀座のユニクロの1階から7階まで、全部のトイレ掃除をしていたそうです。シフト変更にかなり寛容な会社で、『明日お笑いのオーディションが入ったんで休んでいいですか?』と相談すると、応じてくれるので助かっていたとか」(エンタメ誌ライター)
若手の間では、トイレ掃除は「ウンがつく」というジンクスがある。実際に3時のヒロインとオダウエダは女芸人NO.1決定戦「THE W」で優勝。ガンバレルーヤは人気バラエティ「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)の準レギュラーメンバーで、ぼる塾・あんりはソロの仕事が絶えない。モグライダーは2021年の「M-1グランプリ」のファイナリストで、以来テレビに引く手あまただ。
モグライダー・ともしげ、真空ジェシカ・川北茂澄とチャンス大城は、造園業のアルバイターとして今も籍を残している。会社を経営するのは元WKAムエタイ世界ライト級王者の小林さとし氏だ。自身もキックボクシングとアルバイトの両立に苦労したことから、夢を追う芸人やスポーツ選手を積極的に採用している。
また、芸人ばかりで回していたという仕事もある。
「タイタン所属のシティホテル3号室・亮によれば、某有名動画配信サービスがきちんと放送されているか監視する仕事をやっていたそう。仕事内容オはオフィスの一室でずっと画面を見ているだけ。同じバイトを事務所の先輩であるウエストランドの河本太、マヂカルラブリー・村上、令和ロマン・松井ケムリもやっていたそうです」(前出・エンタメ誌ライター)
シティホテル3号室は今年の「キングオブコント」で初めてファイナリストとなった。マヂカルラブリーは2020年、ウエストランドは22年、令和ロマンは昨年のM-1覇者だ。3組の“漫才日本一”を輩出したこのバイトは現在、若手芸人にとって最強のパワースポットとなっている。
(北村ともこ)