今年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」。戦国時代に男の名で家督を継ぎ、後に徳川四天王の1人となった彦根藩の藩祖・井伊直政を育てた、遠州井伊谷の女領主・井伊直虎を主人公とした物語。この直虎の幼少期・おとわを演じているのは、小学4年生の新井美羽。大河では珍しく、4週続けての登場だ。
今作の子役オーディションで「圧倒的な演技」を披露し選ばれた新井。岡本幸江チーフプロデューサーは、「おとわ、亀之丞(後の井伊直親)、鶴丸(後の小野政次)の子役3人がお芝居をするシーンを見ましたが、その段階でぴったりだと確信しました」と納得のいく選出とコメント。視聴者の間でも評判を呼んでいるようだ。
しかし、「子役の演技が評価されればされるほど、その後を継ぐ役者は大変」と芸能ジャーナリストは言う。
「以前、同局の大ヒットとなった『おしん』で少女期のおしんを演じた小林綾子の演技があまりに素晴らしく、青春期を演じた大女優の田中裕子でさえ、苦悩したと言われています。新井の後を継ぐ柴咲コウの心中も穏やかではないかもしれません」
「おしん」放送の頃は、青春期の田中に違和感を覚え、小林の演技を懐かしむ視聴者から「小林が出ている回想シーンを増やしてほしい」との要望が殺到した過去があるが、柴咲は子役の名演技を引き継いで、どんな直虎を演じてくれるのか。再び田中のような事態にならないことを願いたい。